1978年までの「刑事コロンボ」は、今尚かーなり!好きなのですが、1989年から2003年までの新シリーズは、私的にはそれほどでもない。
演じるピーター・フォークが年を重ねたからってわけじゃなく(それはそれで逆に老練で良い)、なんかちょっと脚本がチャラくなったというかなんというか、まぁ〜いいと。
というわけで、そのあまり好きではない新シリーズの「刑事コロンボ」の、1991年作品(日本公開1995年)「影なき殺人者」に、本物のリトル・リチャードが登場しているのは、ちょいと驚きでした!
リトル・リチャードは正に!実名でクラブで演奏してるピアニスト役。R&Rをシャウトしております。
が、コロンボ警部を演じるピーター・フォークは1927年生まれで、1950年代後半のR&Rムーブメントの頃は、もう三十路ですからR&R世代ではありません。
他の作品ですがコロンボ警部はこう言ってます。「ペリー・コモやルイ・アームストロングならわかるけど、ロックはうるさいばかりでどうも」と。
なのでコロンボ警部は、犯人に容疑者に仕立て上げられた助平なドラマーの音楽仲間ってな設定の、天下の!リトル・リチャード相手に淡々と職質しています(笑)。
だから、よくある「こいつはたまげた、カミさんが聞いたら腰を抜かすぞ」というような、リトル・リチャードを相手にしてのコロンボ警部の台詞はありません。
おそらくコロンボ警部はR&Rムーブメント世代ではないので、リトル・リチャードを知らない設定なのでしょうし、ピーター・フォークは世代的に本当に興味がないのかもしれない。
そして「影なき殺人者」にはもう一人、ピーター・フォークの二人目の奥様、22歳年下の本物の「うちのカミさん」のシェラ・デニス(シーラ・ダニーズ)が出演しています。
シェラ・デニス(シーラ・ダニーズ)は旧作に2本出演していますが、新シリーズでは4本も出演しているので、コロンボファンにはお馴染みの女性です。
ピーター・フォークとの出会いになった旧作、1976年の「ルーサン警部の犯罪」では、被害者の夫の秘書役。結婚後の(フォークは再婚)1978年の「美食の報酬」でも、加害者のこちらも秘書役でした。
そんなシェラ・デニス(シーラ・ダニーズ)は、新シリーズになってからは4本とも、もっと重要な役どころをそれぞれ演じています。
こちら「影なき殺人者」も加害者の弁護士の秘書役ですが、自分をアリバイ作りに利用した事で犯行に気づき、秘書から共同経営者、そして正妻の座を「脅して」手に入れる色っぽい悪女です。
ただ正直、「影なき殺人者」の脚本は、やっぱりいまいちなのですよ〜。
シェラ・デニス(シーラ・ダニーズ)演じる秘書が、最初から弁護士と共犯なら、とてもよく出来た物語なのですが、そうじゃないのが、ちょっと最後の謎解きに無理があるかなと。
まぁ〜お好きな方もいると思うので、物語についてはこのへんにします。
リトル・リチャード万歳!