昨日の続き
架空名義口座なので、警察沙汰になると銀行も支店長も上司も困る金を、自分の口座に移しかえる事に成功した原口元子ですが、ホステスもやっていたとはいえ、そこは素人に毛の生えたような女性。
銀座のクラブの開店資金の諸々で5,000万円ほど使ってしまい、更に思ったほどクラブ経営は儲からないことがわかり、横領した残りの金は2.000万円ほど(小説の横領金額は7,500万円ですが、ドラマの製作時期によって、額は徐々に増えてます!)。
架空名義口座なので、警察沙汰になると銀行も支店長も上司も困る金を、自分の口座に移しかえる事に成功した原口元子ですが、ホステスもやっていたとはいえ、そこは素人に毛の生えたような女性。
銀座のクラブの開店資金の諸々で5,000万円ほど使ってしまい、更に思ったほどクラブ経営は儲からないことがわかり、横領した残りの金は2.000万円ほど(小説の横領金額は7,500万円ですが、ドラマの製作時期によって、額は徐々に増えてます!)。
このままでいくと、自分はジリ貧だと原口元子は焦るんです。
原口元子が「黒革の手帖」を使い、恐喝を繰り返す動機はこれで、最初から銀座のクラブで悪事を働こうって気は原口元子はなく、小説ではそんなに賢い女でもない設定になってます。
繰り返しますが小説の原口元子は、男ばかりが出世する銀行に憤りを覚え男を敵視し、更には寿退社した同僚女性達の幸せも望んでいない、チャラくて男にモテる女が大嫌いな、田嶋陽子さんが少し美人になったような女なんです(笑)。
原作「黒革の手帖」の原口元子は、セックスを嫌悪感する女性設定!
そんな原口元子ですが処女というわけではなく、小説では銀行員時代、妻子持ちの男性二人と交際した経験があり、共に交際期間は短くセックスに嫌悪感を抱く、おそらくセックスでイッた事がない女性。
そんな自分を「身体に欠陥がある34女」と、原口元子は心の中で呟いています。
ですからドラマだけ見ると、原口元子は身持ちの堅い賢明な女に思えますが、原作ではそうではなく、相当!性的にも屈折してる女です。
だから!すぐやらせておねだり上手で、セックスでもちゃんとイッてるであろう、男から見ると可愛い女の山田浪子が、原口元子は大嫌いなのですよ。
勿論、自己防衛もありますが、何がなんでも!山田浪子を叩き潰そうとするのは、銀行員時代に寿退社した同僚の不幸を喜んだのと、原口元子の心情は似てます。
更に!こちらも「黒革の手帖」で、男の最重要人物の安島。
この安島だけが原口元子とセックスしますし、原口元子は三十路も超えて、初めて!男に恋心を抱いた、おそらくセックスが生まれ初めて心地良いものと感じた相手が、安島なんです。
でも、そこはお茶の間相手のテレビドラマですから、このへんの原口元子の微妙な性癖、安島とのベッドシーンの「官能エロ小説」部分は、サラッと流されてます(笑)。
原作「黒革の手帖」の原口元子は、けっして強い女ではない!
三代目の浅野ゆう子さんも、当時は二十歳を超えていたので事件は覚えていたでしょう。
でも、四代目の米倉涼子さんは当時はまだ幼稚園児、1993年生まれの武井咲さんに至っては、生まれてもいなかったので、お二人は当時の時代背景も事件も、何も知らないでしょうね〜。
「黒革の手帖」は高度成長からバブルに向かって一直線の、昔は良かったと錯覚されがちな時代背景の、まだまだ!銀行は超エリートの職場で、その肩書きは高級官僚並みの威力があった(男は)、されどもその実態はってな、ある種の女性差別物語です。
まぁ〜時代が変わっても、設定が若干変わっても松本清張氏の作品の、金と男女話はどの作品も楽しめるのですから、やはり松本清張氏の作品は凄いのです。
ちなみに初代、 原口元子を演じた山本陽子さんは、四代目の米倉涼子さん演じる原口元子が最初に勤めた銀座のクラブのママ、岩村叡子役で出演してますね♪