故大森一樹監督&脚本、1991年12月公開の東宝映画「ゴジラ対キングギドラ」は東宝60周年記念作品でした。
まぁ〜なかなか良作ですし、出演陣もちょい役含め小林昭二氏、佐原健二氏、黒部進氏、土屋嘉男氏など特撮ものオールスターなのもファンには見物です。
「ゴジラ対キングギドラ」は、タイムマシンで23世紀からやってきた未来人たちが登場する物語で、時代的に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」公開から6年、同Part2公開から2年、同Part3公開から1年。
未来シーンは登場しませんが、大東亜戦争末期と現代を行き来するストーリーは、こりゃーもう「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズの影響にあった映画なのは間違いないでしょう。
更に!こちらもタイムマシンものの不朽の名作!「ターミネーター」日本公開からも6年、「ターミネーター2」は同年公開されたばかりの、正に!世はこのタイムマシンもの2本が大当たりしていた時代。
東宝も大森一樹氏も、その影響を受けてないわけがないわけで、未来人はアンドロイドと共にやってきて、ロバート・スコット演じたアンドロイドは、もろに!「ターミネーター」を模倣しています。
また、「ゴジラ対キングギドラ」公開の1991年はバブル崩壊の年ですが、この脚本、未来人が23世紀も日本が世界でブイブイ言わセてるのを止めるために、キンググギドラに日本を破壊させようと企てる物語。
思えば「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の未来も、日本がブイブイ言わせてる設定、日本公開1989年の「ダイハード」も、アメリカに建てられた日本企業のナカトミビルが舞台。
誠に当時の日本経済はアメリカ、世界の脅威だったのがよくわかります。昨今の欧米の映画で、これは悲しいかなないです。アジア系で金落ちと言えば今やChinaばっかり。
なので、バブル崩壊と言っても当時は、「なーに今ままでがちょっとおかしかっただけで、またすぐ元に戻るさ」と殆どの日本人は思っており、その後の『失われた30年』など誰も想像してなかった。
「ゴジラ対キングギドラ」の未来の日本は、そんな時代背景に大森一樹氏が脚本を書いたものですが、23世紀はわかりませんが、21世紀の今や日本経済は世界の脅威でもなんでもなくなっちゃった。
だから、この大森一樹氏脚本の「ゴジラ対キングギドラ」は、ちょいとバブル時代を知る爺にはせつない映画です。当時は、こんな筈じゃなかった『失われた30年』ですので。
というわけで、最後になりますが「ゴジラ対キングギドラ」でヒロインを演じた中川杏奈さん、ドイツ系クォーターの美しい女性でしたが、2014年に闘病の末、子宮体癌で49歳でお亡くなりになってます。