18歳の太田幸司投手のオールスターゲーム

 

 

 



1970年7月18日(土)、神宮球場で行われたオールスターゲーム第一戦は、1回表からセリーグ先発の渡辺秀武投手(巨人)がパリーグの強打線につかまり、1死も取れず5連続ヒットを打たれKO。

代わった2番手の鬼頭洋投手(大洋)も、いきなり2者連続本塁打を浴び、パリーグはノーアウトから7人連続ヒット。ツーアウトをとるもまた本塁打を浴び、パリーグは1回表に大量8点を奪うお祭り騒ぎ。

ちなみに、同年5月に渡辺秀武投手、6月に鬼頭洋投手が共にノーヒットノーランを達成しており、お二人とも1970年が野球人生でキャリアハイの年でしたが、この当時のパリーグ打線は強烈でした。

1(右) 長池(阪急)
2(中) 張本(東映
3(左) アルトマン(ロッテ)
4(一) 大杉(東映
5(捕) 野村(南海)
6(二) 山崎(ロッテ)
7(三) 有藤(ロッテ)
8(遊) 阪本(阪急)
9(投) 成田(ロッテ)


が、しかし、パリーグ先発の成田文夫投手(東京)も、二番手の鈴木啓示投手(近鉄)もピリッとせず、試合は5回を終わって13対7と乱打戦。

そして6回裏、高卒ドラフト1位ルーキー!オールスターファン投票投手部門1位。圧倒的人気の近鉄バファローズの太田幸司投手が3番手で登板しました。



前年8月18日、三沢高校のエースとして太田幸司投手は全国高校野球選手権決勝で、0対0のまま延長18回引き分け再試合を演じ、日本中の野球ファンと女の子たちを熱狂させましたが、あれから11ヶ月!

一軍で1試合登板2イニングを投げ1勝しかしてないとはいえ、当時の太田幸司氏は日本一の!人気者ですから、オールスターファン投票投手部門で1位!注目・人気の太田幸司投手、待望の初登板でした。

が、しかし、やはりプロは甘くない。いきなり田淵幸一氏(阪神)、代打の中塚政幸氏(大洋)に連続フォアボール。太田幸司投手、ストライクが取れない。

高田繁氏(巨人)をレフトフライに打ち取るも、代打の遠井吾郎氏(阪神)にライト前安打、王貞治氏(巨人)に二塁打を打たれ降板。

太田幸司投手のオールスターゲームの初陣は、打者5人相手に1アウトを取っただけで、2安打2四球、失点・自責点共に2という厳しいプロの洗礼でした。

乱打戦を13対9で制したパリーグの、翌19日の大阪球場での第二戦先発は皆川睦雄投手(南海)。太田幸司投手は4対1でセリーグリードの4番手で8回表に2度目の登場。

下位打線とはいえ、三村敏之氏(広島)を三振、次の森昌彦氏(巨人)をファーストゴロ、そしてピッチャーの小野正一氏(中日)も三振の三者凡退に打ち取っています(1イニングのみで降板)。

中1日空いた7月21日(火)、広島球場でのオールスター第三戦。8対6のセリーグリードの試合に、太田幸司投手は7回ツーアウトから4番手で登板。1年目の人気の太田幸司投手3連投!

見事に、田淵幸一氏(阪神)をショートフライに打ち取りチェンジ。第三戦は打者一人でしたが、結局、ルーキーイヤーの太田幸司投手、打者9人を相手に2安打2四球2三振2失点・自責点でした。