「ポセイドン・アドベンチャー」「タワーリング・インフェルノ」の両方に、ちょい役で出演していたシーラ・マシューズ



 




1970年代のパニック映画ブームの代表作「ポセイドン・アドベンチャー」と「タワーリング・インフェルノ」の両方に、ちょい役とは言え出演していた女優がいます。

その女優はシーラ・マシューズ。

シーラ・マシューズは「ポセイドン・アドベンチャー」では、乗船客のニューヨーク市警警部補マイク・ロゴの妻リンダが船酔いしてまいってる所にやってくる看護師役で冒頭から登場しています。

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冒頭はコミカルなシーンでしたが、転覆後もこの医者と看護師は生き残っており、ジーン・ハックマン演じる牧師率いる一団と船内で会いますが、船首に向かう自滅の一団を率いていたのがこの医者。

看護師役のシーラ・マシューズも、この一団におり、牧師に一緒にいきましょうと語りかけてます。


で、「タワーリング・インフェルノ」では、今度はシーラ・マシューズは市長夫人。

市長がポール・ニューマン演じるタワーの設計者ダンカンと、交友関係にあったこともあり、その奥様役なので「ポセイドン・アドベンチャー」よりは多く映ってます。

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他に「ポセイドン・アドベンチャー」と「タワーリング・インフェルノ」の両方に、ちょい役で出演しているのはジョン・クロウフォード、エリック・L・ネルソンの2名がおります。

が、
ちょいとふくよかなこの1929年生まれのシーラ・マシューズだけは、その二人とは別格だったという理由!

45歳のシーラ・マシューズは「タワーリング・インフェルノ」撮影中に、映画製作の1916年生まれの58歳のアーウィン・アレンと結婚しています。

二人は「ポセイドン・アドベンチャー」の頃から交際していたんじゃないか?と考えるのが、普通でしょうね。あるいは交際はしてなくても、お互いを憎からず思っていたのは間違いないでしょう。


アーウィン・アレンは元々はテレビの方で、日本でも年配の方にはお馴染みだと思う、『宇宙家族ロビンソン』『原子力潜水艦シービュー号』『タイムトンネル』『巨人の惑星』等を製作した巨匠!

50代になってから、映画「ポセイドン・アドベンチャー」と「タワーリング・インフェルノ」 の2本を大当たりさせたのですが、この後が良くなかった。

2本の大当たり映画後、再びテレビで「大洪水」「大火災」を作ったアーウィン・アレンは1978年に今度は製作と監督を兼任し、オールスターパニック映画「スウォーム」を作りました。

が、これが興行的に失敗してしまい評価も散々だったので、この映画を日本でも知ってる方は少ないでしょうね。

そして翌年、柳の下の二匹目のドジョウを狙った「ポセイドン・アドベンチャー2」も、アーウィン・アレンは再び製作と監督を兼任。


ポセイドン・アドベンチャー2」は原作と異なりますが、完全な続編。転覆した船の中には他からの脱出を試みていた人たちがいたという、面白い着眼の映画だったのですが、こちらも興行的にこけてます。

そしてアーウィン・アレンのキャリアのピリオドを打ったのが、今度は監督を降り、製作だけを担当した1980年の「世界崩壊の序曲」でした。

この映画「タワーリング・インフェルノ」のポール・ニューマンウィリアム・ホールデン、「ポセイドン・アドベンチャー」のアーネスト・ボーグナインとレッド・バトンズが出演。

更には、こちらもパニック映画の傑作「大空港」のジャクリーン・ビセットも出演という、もうパニック映画のオールスターでしたが、これが興行的に大コケ。作品も酷評されました。

アーウィン・アレンの映画は、この「世界崩壊の序曲」が最後になり、1991年に75歳で永眠。

2006年の「ポセイドン・アドベンチャー」のリメイク「ポセイドン」は、奥様のシーラ・マシューズ・アレンが製作総指揮を務めましたが、私的にリメイクの方が良いという声は聞いた事はないですね。

そんなシーラ・マシューズ・アレンも、2013年に84歳で他界しております。