キャロル「憎いあの娘」の、矢沢永吉氏の ♪チョーッ! の衝撃🎵

 



1973年4月発売、キャロルの5枚目のシングル「彼女は彼のもの」のB面「憎いあの娘」。

まぁ〜その後の『伝説』と違って、リアルタイムは両面とも全くヒットしなかったわけですが、近年、ギタリストの内海利勝氏が、「憎いあの娘」はT・レックスを意識したと回想しています。

T・レックスは前年11~12月に初来日しており、日本でも人気が爆発していた時期ですので、おそらく全米10位を記録した「ゲット・イット・オン」のギターリフを「憎いあの娘」で真似したと思われます。

まぁ〜R&Rの典型的なギターリフですが、このイントロのギターはとてもカッコ良かったですし、何よりその後の!矢沢永吉氏の ♪チョ〜ッ! の雄叫び、シャウトがなんとも言えない異様さでした。



その後の矢沢永吉氏の大活躍で、彼の曲間の煽りというか合いの手というかは、誰もがお馴染みですが、まだ矢沢永吉氏があの!矢沢永吉氏として広く認識されてない頃のこの ♪チョ〜ッ!、、、

それまで ♪チョ〜ッ! なんて煽り、合いの手の入った曲ってあったでしょうか?!

♪フ〜ッ ♪フ〜ウ〜ッ ♪イエイエイ はあっても ♪チョ〜ッ! は日本に限らず欧米でもなかったのではないでしょうかね〜?

♪チョ〜ッ! を計算して入れたのか?思いつきで入れたのか?矢沢永吉氏の証言もないので、はっきりわかりませんが、プロデューサーのミッキー・カーチス氏も最初は驚いたんじゃないかしら?

でも、♪チョ〜ッ! と矢沢永吉氏が煽り、合いの手を入れたテイクを、そのままミッキー・カーチス氏はレコードにしてるのが、彼の柔軟性というかなんというか。

きっと、♪チョ〜ッ! が「かっこいい!」と思ってそのまま使ったのでしょう。


まぁ〜矢沢永吉氏のザ・ビートルズ愛は有名ですし、おそらく煽り、合いの手の天才!ポール・マッカートニーを、ポールと同じベースを担当していた矢沢永吉氏は真似てたのでしょう。

ちなみに、キャロルの「彼女は彼のもの/憎いあの娘」が発表された頃、こちらもミッキー・カーチス氏がプロデュースした、ガロの「学生街の喫茶店」が巷ではバカ売れしていました。

「憎いあの娘」は、エンディング近くでも矢沢永吉氏は、♪チョ〜ッ! を ♪サンキュー の後に入れてますし、間奏に入る前には ♪フ〜ッ ウ〜ッ の煽り、合いの手が入ってます。

ところで有名な日比谷野音の解散ライブ音源では、♪確かめたいのさこの胸だ〜いて でジョニー大倉氏のハーモニーが入りますが、スタジオ音源はこれがなく、矢沢永吉氏が全編一人で歌ってる。

スタジオ録音時は、ハーモニーまで考えがいかなかったのか?勢いでそのまま矢沢永吉氏の歌だけでいけちゃったのか?割と初期の頃は矢沢氏と大倉氏のハモは売りだっただけに、この辺も謎です。

リアルタイム当時は売れませんでしたが(キャロルの特にベスト盤LPは、解散後に売れた)、初期のツインギター、ベース、ドラムだけのキャロルサウンドは、今聴いても本当にかっこいい!