グランドファンク「アメリカン・バンド」のドン・ブリューワーは、神が舞い降りている!



 



1970年代のアメリカの人気ハードロックグループ、グランド・ファンク初の!全米ビルボードシングルチャート1位を獲得した「アメリカン・バンド」。

アメリカン・バンド」は、ドラマーのドン・ブリューワーが作った曲で、それまでにギターのマーク・ファーナーとの競作は2曲ありますが、単独で作詞作曲で彼がクレジットされたのは、この曲が初めて。

初めて単独で作詞作曲した「アメリカン・バンド」を、バンドのメインシンガーであるマーク・ファーナーではなく自らが歌ったら、なんと!バンド初の全米No.1のシングル大ヒット。

これはかなり奇跡的な事件で、ドン・ブリューワーにこの時、神が舞い降りたと言っても過言ではないでしょう。



ちなみにこれは私が勝手に思ってるだけで、そういう証言はありませんが、ドン・ブリューワー、或いはプロデューサーのトッド・ラングレンは、レア・アースの「ゲット・レディ」を意識したのではないか?

欧米で吹き荒れる白人ロックバンドの影響を受け、黒人R&B専門だったモータウンがロックバンドのレア・アースをスカウトし、ザ・テンプテーションズの「ゲット・レディ」をカバーさせています。

おそらく1967年に、モータウンのザ・シュープリームスのヒット曲「キープ・ミー・ハンギング・オン」を、白人ロックバンドのヴァニラ・ファッジがカバーし、最高位全米6位を記録した影響でしょう。

そしてモータウンの思惑通り、1970年発売のレア・アースの「ゲット・レディ」は、ザ・テンプテーションズよりヒットし、全米最高位4位の大ヒットになりました。


とはいえ、これはアメリカの話で、当時の情報も少なかった日本でザ・テンプテーションズだのレア・アースだのモータウンだの知ってる人は、相当!コアな黒人音楽ファンだけ。

レア・アースの「ゲット・レディ」は、1970年代中頃まで、日本では踊り場の定番曲だったとはいえ、踊り場に出入りしていた不良ぐらいしか馴染みのない曲で、一般的にヒットした形跡はありません。

まぁ〜その辺が当時の踊り場に出入りしていた不良、とっぽい子達の強い特権意識で、「おまえらこいういう曲知らねーだろ〜」と、一般の歌謡曲ファンやフォークファンを、か〜なり見下し蔑んでました。

で、話を戻して、全米最高位4位を記録したレア・アースの「ゲット・レディ」を、ドン・ブリューワーもトッド・ラングレンも知らないわけがない。

 

ドン・ブリューワー自ら「この曲は俺が歌う」と言ったか?トッド・ラングレンが「ドン、あんた歌ってみろよ」と言ったか?わかりませんが、「ゲット・レディ」がイメージにあったとしても、おかしな話じゃない。

 

レア・アースの「ゲット・レディ」でドラムを叩き歌うピーター・リヴェラの声と、グランド・ファンクのドン・ブリューワーの声はとても似てます。

もしピーター・リヴェラに「アメリカン・バンド」を歌わせても、ドン・ブリューワーに「ゲット・レディ」を歌わせても、どちらもカッコいいでしょうし、お互いそっくりなんじゃないかしら?


アメリカン・バンド」は、グランド・ファンクがハードロックバンドに分類されているので、ハードロックと称されますが、か〜なりファンキーでダンサブルなナンバーです。

なにより、それまで主にメインボーカルを担当していたギターのマーク・ファーナーがハーモニーに回ってるのも、これはか〜なり強力!

♪ We're An American Band の二人のハモは、いつ聴いても鳥肌ものですし、エンディングの ♪フ〜ウ〜ッ のシャウトはザ・ビートルズでお馴染みですが、R&R、R&Bからの流れなのは間違いない。

例えばリトル・リチャード、アイズレー・ブラザースとかの、あの! ♪フ〜ウ〜ッ 

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まぁ〜、イントロのカウベルから入るドラムのカッコ良さにしろ歌にしろ、初めてピンで作詞作曲した「アメリカン・バンド」のドン・ブリューワー、しつこいようですが神が舞い降りてます!

♪俺たちゃーアメリカンバンド、俺たちゃーアメリカンバンド

♪あんたの街にやってきて パーティを盛り上げるぜ〜ぃ

な〜んて潔い、伝統のアメリカのバンドっぽい詞でしょうか!

1973年9月29日、全米ビルボードチャート1位!「アメリカン・バンド」。不朽の名曲です🎵