キャロル のセカンドアルバム「ファンキー・モンキー・ベイビー」が、批評家たちの選ぶ古のロック名盤にでない不思議!その1

 



音楽評論家や批評家たちが選ぶ、1970年代の日本人のアルバム名盤トップ10みたいなもので、キャロル の「ファンキー・モンキー・ベイビー」が選出されてるのを、私は一度も見たことがない。

そのわりに1970年代の日本の音楽を語る時、キャロル は日本のロックで珍しく売れたバンドと、必ず紹介されます。

(だったら、キャロル のアルバム も、もっと真面目に評価しろよ!)と、私は昔から怒りを感じていました(笑)。

まぁ〜矢沢永吉氏ファンの方にはお叱りをうけてしまうと思いますが、残念ながら「永ちゃん坂本龍馬が好き」というと、なんか頭の悪い人っぽいイメージをね〜、、、

自分は賢い、自分はインテリ、自分はアーチスティック、自分はマニア、自分はお洒落と、他人に評価されたい「痛い人達」は持っています。

だからキャロル しかり、矢沢永吉氏のソロアルバムしかり、殆どこの手の方々から、評価されることはありません。

なので、僭越ながら私が、アルバム「ファンキー・モンキー・ベイビー」が、如何に素晴らしいか!能書きをほざかせてもらいたいと思います。

全曲メンバーのオリジナルで、当時の日本のニューロックシーンで、初めてそこそこ売れたアルバム「ファンキー・モンキー・ベイビー」

 

キャロルのセカンドアルバム「ファンキー・モンキー・ベイビー」が発売されたのは、1973年7月。

同年、バカ売れした吉田拓郎氏の「元気です」、かぐや姫の「かぐや姫さあど」、井上陽水氏の「陽水ライブ もどり道」に比べれば、比較にならないほど小さい売り上げでした。


が、当時の日本のニューロックバンドの中では、唯一!と言って良い「売れた」アルバムだったのは、間違いありません。

プロデュースはファーストアルバム「ルイジアンナ」に続いて、ミッキー・カーチス氏。

矢沢永吉氏の「成り上がり」では、印税のパーセンテージのことで、ミッキー・カーチス氏はこき下ろされてるので、矢沢永吉氏ファンには悪徳プロデューサーイメージが定着してると思います。

が、かつて雑誌「ギターマガジン」でのジョニー大倉氏と内海利勝氏のインタビューでは、お二人ともミッキー・カーチス氏のレコーディング方法を高く評価しておりました。

今聴き直しても当時のキャロル のサウンドは音が良いですし、グルーヴを感じさせてくれるのは、ファンの方でなくても否定はできないと思います。 

なので、私も生意気ながら、ミッキー・カーチス氏のレコーディングの仕事は高く評価しておりますし、アルバム「ファンキー・モンキー・ベイビー」の何が凄いって、全12曲オリジナルということ。

今ではあたり前でしょうが、全曲!作詞:大倉洋一、作曲:矢沢永吉のバンドメンバーによるオリジナル曲のニューロックバンドのアルバムが、それなりに売れたのは、やっぱり当時としては稀な事でした。

アルバム「ファンキー・モンキー・ベイビー」こそが、作詞:大倉洋一・作曲:矢沢永吉コンビの集大成だった!

 

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当時、キャロル は毎月1枚シングルを発表する、異例の!レコード発売方法をとっていました。

なのでアルバムには、既にシングルとして発売されていた「レディ・セブンティーン/愛の叫び」 「 彼女は彼のもの/憎いあの娘」「0時5分の最終列車/二人だけ」の6曲が収録。

新たに、アルバム「ファンキー・モンキー・ベイビー」の為の書き下ろした曲が、半分の6曲になります。

後にジョニー大倉氏の著書によると、テレビ出演やライブをこなしながらの、この月1ペース(シングルAB面だから2曲)での作詞が、かなりプレッシャーだったそう。

なので、B面はR&Rのカヴァーだったファーストアルバム「ルイジアンナ」と違い、新たに短期間での6曲の新譜の作詞は、さぞや大変だったことでしょう。

新譜はシングルカットされたAB面の、「ファンキー・モンキー・ベイビー」と「コーヒーショップの女の子」。そして「恋する涙」「ハニーエンジェル」「ミスターギブソン」「いとしのダーリン」の6曲。

ちなみに2003年に発売された、キャロル のベストアルバム 「ザ★べスト」は、キャロル の版権も完全に手にした矢沢永吉氏の選曲と思われます。

そこで、アルバム「ファンキー・モンキー・ベイビー」全12曲のうち10曲が選ばれてますので、矢沢永吉氏にとっても、このアルバムはキャロル時代の会心のアルバム だったと思ってるだろう、、、

と、勝手に想像し私は喜んでます(笑)。

A面の「ファンキー・モンキー・ベイビー」と「憎いあの娘」の並びのカッコ良さ!

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で、アルバムのA面1曲目は、その「ファンキー・モンキー・ベイビー」。

ここまでキャロル のシングル7枚のうち、A面でメインボーカルを矢沢永吉氏がとるのは、これが3曲目で、ジョニー大倉氏の方がメインボーカルの曲が、この頃は1曲うわまってました。

ツインギター+ベース&ドラムの、バンドアンサンブルもアレンジも演奏力も、最高にカッコいい「ファンキー・モンキー・ベイビー」に続いて、A面2曲目は「憎いあの娘」。

「憎いあの娘」は、既にシングル「彼女は彼のもの」のB面として発売されていた曲でしたが、典型的なR&Rパターンのギターリフから入る「憎いあの娘」の、この2曲の並びは、とてもカッコ良かった!

この「ファンキー・モンキー・ベイビー」「憎いあの娘」の2曲の並びに、音楽評論家や批評家たちが必ず!高評価する、あのアルバム、このアルバムのA面の1~2曲、本当に勝ててるか?

と、私はいつも思ってしまいます。まぁ〜、このへんはファン真理の「贔屓」なので、反論のある方は読み流してください(笑)。


「ファンキー・モンキー・ベイビー」も「憎いあの娘」も、ギター2本のギターアンサンブル楽曲。

この頃のキャロル は、本当にシンプルなサウンド構成なのに、初期ザ・ビートルズ のような、ギターアンサンブルのお手本のような楽曲が多いです。

矢沢永吉氏のベースパターン、ユウ岡崎氏のドラムパターンもしかり。


ちなみに後年のジョニー大倉氏の著書によると、ユウ岡崎氏は元々ハードロック系のドラマーだそうで、キャロル のコピバンは、やはりドラマー探しが、ちょっと難しいかもしれないですね。

だってハードロック好きのドラマーに、「キャロル やらない?」と言っても、まず断られるでしょうから。

ジョニー大倉氏の著書によると、最初、ユウ岡崎氏がミッキー・カーチス氏の紹介でキャロルに加入する時、「ユー達、ロケンロールやってるの」と、R&Rをバカにしたような発言をしたとかしないとか。

そう書かれてましたが、ユウ岡崎氏に限らず当時のニューロックのドラマーは、こんな感覚だったのは間違いないでしょう。


というわけで、キャロル の当事者のユウ岡崎氏ですら内心当時は甘く見てた、なめてた「R&Rなんかをやるバンド」に仕事で入ってドラムを叩いたわけです。

だから、普通のオヤジバンドで、ハードロックが叩けて、更に!キャロル も大好きなドラマー探すの本当に大変だと思いますねー。

さりとて、これザ・ビートルズ のコピバンもしかりですが、初心者がドラムだと、はっきり「下手に聴こえる」かキャロル の楽曲は怖い(笑)。

続く