19年ぶりの日本記録更新!前田穂南さんの快挙。大阪国際女子マラソン




選手たちは懸命に練習し、人生をかけて競技しているので素人がとやかく言ってはいけないと思いつつも、やはり日本人選手にはどんなスポーツでも大会でも、勝ってもらいたいのが人情。

私的にいつも「日本の女子マラソンが強かったのは昔の事。だって未だに日本記録アテネ五輪の金メダリストの野口みずきさんが持ってるんだよ。誰もそれ抜けないんだからダメだよ」と嘆いていました。

が、しかし!遂に!2024年1月29日、大阪国際女子マラソンで前田穂南さんが2時間18分59秒の日本新記録をマーク。19年ぶりに野口みずきさんの記録が更新されました!

前田穂南さんは前回の東京オリンピックの期待の代表選手でしたが、結果は33位。日本代表3番手だった一山麻緒さんが、日本人としては17年ぶりになる8位入賞したのとは対照的な、悔しい結果でした。

前回の東京オリンピック出場をかけたマラソングランドチャンピオンシップでは、優勝した前田穂南さんと違い一山麻緒さんは6位で、その時は代表に選ばれませんでした

が、2023年10月に行われたマラソングランドチャンピオンシップでは、フルマラソン3度目にして見事優勝した鈴木優花さんに続いて、一山麻緒さんが2位に入り二人はパリオリンピック出場内定!

一方、前田穂南さんは7位で、大阪国際女子マラソンで最後の一人枠の出場内定を目指し、見事に日本記録更新の快挙を成し遂げました。

まだ、もう1試合、オリンピック出場の選考レースは残っているので前田穂南さんに内定は出ていないようですが、果たして更新されたばかりの日本記録を抜ける選手が出るかどうか?

何にしましても、パリオリンピックの女子マラソン。マラソンファンとしては、今から楽しみになってまいりました。




で、女子マラソンがオリンピック種目に加わったのは、1984年のロサンゼルスオリンピックが初めてで、あの!メダル候補の瀬古利彦氏が終盤失速し、日本中の人がため息をついた大会です(結果は14位)。

それでも男子は、宗猛氏が4位入賞の力走を見せてくれましたが、女子もメダル候補で期待の増田明美さんが途中棄権の大波乱。

まぁ〜今では日本人選手は男子も女子も世界記録とは相当の差をつけられてしまってますが、当時は男子の瀬古利彦氏同様、女子の増田明美さんの最高タイムは世界のトップ10に入るレベルでした。

ですから瀬古利彦氏の失速と共に、増田明美さんの棄権は随分とマスメディアに叩かれたもので、本人はきつかったと思います。

もう一人の代表の鈴木七恵さんが19位で、これが日本女子マラソンのオリンピックの最初の完走順位でした。

続く1988年のソウルオリンピックも、男子は中山竹通氏が4位入賞しましたが(瀬古利彦氏は9位)、女子は浅井えり子さんの25位が最高で、日本女子マラソンはオリンピックの壁は厚かった。

でもソウルオリンピックは荒木久美さんが28位、宮原美佐子さんが29位と出場3選手が全員完走しており、完走64人(棄権8人)なので、日本人女子の当時のレベルは世界の真ん中ぐらいの感じでした。



というわけで、当時はまだ世界と記録的にもトップレベルを争い、オリンピックでも連続入賞の男子と違い、女子は大きな活躍は出来ませんでしたが、この歴史を変えたのが1992年のバルセロナオリンピック

有森裕子さんが優勝したロシアのエゴロワに次いで見事に2位、銀メダルを獲得。更には山下佐知子さんも4位入賞!(小鴨由水さん29位)。

バルセロナオリンピックは、男子も史上初の出場3選手全員入賞の快挙を成し遂げ(森下広一氏・銀メダル、中山竹通氏が4位、谷口浩美氏が8位)、マラソンファンには至福の大会でした。

更には!続いてのアトランタオリンピックでも有森裕子さんは、見事に銅メダルに輝き、この2大会連続メダル獲得により、日本女子マラソンは黄金時代に突入(牧木和さん12位、浅利純子さん17位)。

2000年のシドニーオリンピックでは、ルーマニアのシモンをふりきり高橋尚子さんが見事優勝!遂に日本女子マラソンは金メダル獲得しました。

また、山口衛里さんも7位入賞(市橋有里さん15位)と大健闘でしたが、日本女子マラソン絶頂期を迎えたのが、次の2004年のアテネオリンピック

野口みずきさんが高橋尚子さんに続いて連続優勝・金メダルの快挙を成し遂げると、土佐礼子さんが5位、坂本直子さんが7位と、出場3選手全員が入賞の快挙を、女子もこの大会で成し遂げました。

が、しかし日本の女子マラソンはこのアテネがピークで、その後はさっぱり。前回の東京オリンピックでの一山麻緒さんの入賞は4大会ぶり。

というわけで、まだ決定ではありませんが、パリオリンピックの女子マラソン、強い日本の女子マラソン復活を、大いに!期待できると思います。