「エル ELLE」の還暦超えイザベル・ユペールの濡れ場シーンと、ポール・バーホーベン監督

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日本公開2017年のフランス映画「エル ELLE」。

主演のフランス人女優、イザベル・ユペールは、この映画の少し前の「間奏曲はパリで」 でも田舎の倦怠期の老夫婦の奥様が、パリに出てそこで知り合った紳士と、ってな女性を演じてました。

が、こちら 「エル ELLE」、、、

イザベル・ユペールは撮影当時、実際に還暦超えてるのに、乳首出してレイプはされるは、別れた亭主や同僚の亭主とセックスするは、隣の亭主を双眼鏡で眺めオナニーするはの、もの凄い女性を演じてます。

この「エル ELLE」によって、イザベル・ユペールアカデミー賞に初めてノミネート。アカデミー賞は逃しましたが、ゴールデングローブ賞主演女優賞 (ドラマ部門)受賞。

更には、全米映画批評家協会賞主演女優賞。ニューヨーク映画批評家協会賞主演女優賞受賞。ロサンゼルス映画批評家協会賞主演女優賞受賞と凄い事になりました。

これだけ賞を受賞したりノミネートされたら、イザベル・ユペールも還暦超えて乳首だした甲斐が、ありましたねー。

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まぁ〜、イザベル・ユペール演じたゲーム会社の女社長含め、この映画の登場人物たちと、日常で関わり合いたい、近所付き合いしたい、一緒に仕事をしたいとは、まーず誰も思わないでしょう。

特に男が、いい歳してみんなバカ、クズばかり。

「性癖と性格は変わらない」と、いつも私も言ってる通り、年齢と肩書きと立場と性癖と性格は関係ない。

正に「エル ELLE」に登場する男ども、みんなソレ。

正直、恋人同士がデートで観て楽しい映画じゃないし、ノー天気に爽快な映画でもない。

なので、ネットで「エル ELLE」の評価みてると、はっきり好き嫌いが別れてますし、必ずしも日本でヒットした映画じゃなかったけど、私は好きなタイプの映画でした。


で、ポール・バーホーベン監督はオランダ人で、ヒトラーナチス政権下のドイツに占領されていた第二次世界大戦を幼少期に経験してるのが、彼の作品に色濃く出てますねー。

味方の筈の連合軍の空爆で、オランダ人がバタバタ死んでくのを幼少期に見てるポール・バーホーベン監督。彼の「正義」の描き方が屈折していて、私はそれが大好きなのは、このへんの幼児体験にあるのでしょう。

ポール・バーホーベン監督の「ロボコップ」での、オムニ社による民営警察体勢下の治安維持と正義。「トータルリコール」の、火星の採掘会社のドン、コーヘイゲンの力の下の治安維持と正義。

このへんの「正義」に対する不信と不安と疑問の描き方は、そんな幼児体験から来てると思いますねー。

無意識だったけど、ポール・バーホーベン監督は好きな作品が多い♪

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で、「ロボコップ」のアン・ルイスナンシー・アレン)、「トータル・リコール」のローリー(シャロン・ストーン)、ともに強い女!

そして出ました!「氷の微笑」。ポール・バーホーベン監督の女性崇拝的な性癖が、ここではっきりわかりましたねー。

シャロン・ストーンに「エル ELLE」の主役のオファーもあったそうですが、老いたとはいえシャロン・ストーンだったら、全く違った映画になってたでしょうねー。

これ、他にオファーを断わられたそうなニコール・キッドマンシャーリーズ・セロンもしかり。

彼女達では、阿呆な男どもが最初は「都合の良い女」と思って助平に接し、個々の性癖を満たし楽しんでたのに、この女は実は怖ーい地雷女だった的な、男目線のヤバさは感じないでしょう。

だって、最初から彼女達は「都合の良い女」に見えないから(笑)。

エル ELLE」の主役は、フランス人女優の「都合の良い女」に見えそうなイザベル・ユペールだから、なんとなーく不思議な深みのある映画なんだと、しみじみ思います。

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更に!アメリカからオランダに戻って撮った、ナチスと強い女、そして正義とは何なのか?というポール・バーホーベン監督の真骨頂!日本公開2007年の「ブラックブック」も強烈でした。

やっぱり私はポール・バーホーベン監督作品、好きだな。

で、最後になりますが、、、

エル ELLE」でイザベル・ユペール演じる女性とやっちゃう、彼女の同僚で友達を妻に持つ助平亭主役は、「ヒトラー〜最期の12日間〜」でドイツ軍将校=軍医を演じたのはクリスチャン・ベンケル。

彼はトム・クルーズの「ワルキューレ」でもドイツ軍人を演じましたが、クリスチャン・ベンケルのママはユダヤ人なんですね。

なので、ヒトラーナチスドイツ政権下では、ドイツ人なのにフランス、そしてアルゼンチンと逃げ回ったそう。

というわけで、私が「エル ELLE」で見覚えがあったのは、イザベル・ユペールとクリスチャン・ベンケルのお二人だけでしたが、なかなか他の出演者たちも皆さん魅力的でした。