なぜ?マドンナの映画「BODY/ボディ」は当たらなかったんだろ?

 



 

 

登場人物が碌でもない奴らばかりなので、私的にはそこそこ楽しめたマドンナ主演の1993年のエロチックサスペンス映画「BODY/ボディ」。

しかし「BODY/ボディ」は、前年1992年公開の似たようなエロチックサスペンス映画、シャロン・ストーン主演の「氷の微笑」と違い商業的にはコケました。

正直「氷の微笑」はシャロン・ストーンの圧倒的な美しさと妖艶さは分かりましたが(ファンですから)、そんなに面白い映画とは思わなかったし、「BODY/ボディ」のマドンナも悪くはなかった。

 


ちなみにマドンナもシャロン・ストーンも1958年生まれの同い年で、映画撮影時は30代前半の熟女ファンは泣いて喜ぶ年齢でした。

だから、今でも似たようなエロチックサスペンス映画なのに、商業的に成功した「氷の微笑」と失敗した「BODY/ボディ」の理由がよくわからない。似たような映画だから後発は不利だったのかしら?

また、日本でも商業的成功とは思えなかった「BODY/ボディ」に続いてマドンナが出演した「スネーク・アイズ」を、当時「ボディ2」と謳った配給会社のセンスも「?」でしたが、まぁ〜いいと。


で、「BODY/ボディ」は、心臓の悪い富豪の老人をセックスで殺害したのではないか?と愛人のレベッカ(マドンナ)が疑われ、彼女の弁護を担当する弁護士のフランク役がウイレム・デフォー。

ウイレム・デフォーは、オリバー・ストーン監督「プラトーン」のエリオス軍曹役で日本でも無茶苦茶有名になった方で、この主人公二人だけでも普通は大ヒット間違いなしっぽかったんですけどね。

で、弁護士が容疑者の色香に参ってやっちゃうこの設定は、やってないけど1947年の「パラダイン夫人の恋」で、アリダ・ヴァリ演じる容疑者に恋心を抱くグレゴリーペック演じた弁護士によく似てます。

更には法廷ものの傑作!アガサ・クリスティ原作(「検察側の証人」)、1958年の巨匠!ビリー・ワイルダー監督の「情婦」の、容疑者と協力者の男女が入れ替わった物語とも言えなくもない。

だから「BODY/ボディ」は、基本この2本の映画からヒントを得て脚本が作られた気がしますし、マドンナは意識してなのか?「情婦」のマレーネ・ディートリヒと同じ帽子姿を披露してました。


マドンナとウィレム・デフォーのお二人は、「氷の微笑」のシャロン・ストーンと刑事役のマイケル・ダグラスみたいな感じかしら?

ただマイケル・ダグラスは、こちらも商業的に成功した「危険な情事」のイメージがまだ強く残ってた時期だったから、「氷の微笑」は観客に受け入れられたのかもしれない。

その「危険な情事」こそ、クリント・イーストウッド監督・主演の「恐怖のメロディ」のドパクリな気がしたけど。この辺も、まぁ〜いいと。

で、「危険な情事」でマイケル・ダグラス演じた弁護士の奥様役を演じたアン・アーチャーも、「BODY/ボディ」に出演しています。

アン・アーチャー演じるジョアンは、レベッカを犯人と検察ににおわせますが、実は他界した富豪の老人と自分もやってた(元愛人)秘書で、更にはコカイン中という役どころ。

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また、レベッカの色香に翻弄されやっちゃう弁護士フランクの奥様役が、こちらも名作!「ゆりかごを揺らす手」で名を馳せた直後のジュリアン・ムーアでしたが、まだ今ほど有名じゃなかったかな?

更には検事役を演じたジョー・マンテーニャは「ゴッドファーザーPartⅢ」でジョーイ・ザザを好演したばかりで、レベッカの前の愛人爺さんジェフリー役が名優フランク・ランジェラ

というわけで「BODY/ボディ」はなかなかの出演陣でしたし、マドンナもおっぱい出してますし、エロチック・サスペンスとしては内容も悪くないと思うのですが、商業的にはコケちゃった。


やっぱり、「BODY/ボディ」はラストが雑だったのかしらね〜?

レベッカの共犯者の男がバカすぎで、こんなバカと完全犯罪は無理だろ〜?と思わされる弱点はありますが、映画の商業的な成功不成功、後からの世間の評価って、本当上映してみないとわからないものです。

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