かつて、万年Bクラスだった広島カープでプロ入り11年目にして初めて！リーグ優勝を体験した外木場義郎投手。
その外木場義郎投手1年目の1965年から1974年までの広島カープは、10年間でBクラス9回、最下位5回の3年連続最下位の弱小チームでした。
この間、唯一のAクラスだった（3位）1968年、外木場義郎投手は防御率1,94で最優秀防御率賞を受賞し、勝ち星も21勝（最多勝は阪神タイガースの江夏豊投手の25勝）。
奪三振も260と普通の年なら奪三振王の数字でしたが、この年は江夏豊投手が今も世界記録の401奪三振を記録した年なので、奪三振王ならずでした。
また翌1969年も外木場義郎投手は223の奪三振を記録しましたが、同年も江夏豊投手の262に及ばず奪三振王にはなれませんでしたが、当時の若き外木場義郎投手の豪快なピッチングは素晴らしかった。
ちなみにこの間、外木場義郎投手は完全試合1回、ノーヒットノーランを2回記録しており、弱い広島カープの中では異形を放つ大エースで、プロ野球ファンなら知らない人はいなかったです。
ところが1975年、そんな弱い広島カープが伝説の「赤ヘル軍団」ブームの快進撃を起こし、エース！外木場義郎投手が20勝13敗で最多勝、193奪三振で初の奪三振王も獲得。なんとチームは初のリーグ優勝！
また、プロ入り2年目の池谷公二郎投手が18勝11敗1Sの大化け（前年2勝4敗）、 円熟期の佐伯和司投手も15勝10敗。阪急ブレーブスから移籍してきた宮本幸信投手が10勝2敗10Sと大活躍しました。
.319で首位打者の山本浩二氏、衣笠祥雄氏、ホプキンス等、打線も素晴らしかったですが、この年の広島カープ初優勝の原動力は、やはり外木場義郎投手を中心にした投手陣だったと思いますね〜。
で、、、
日本シリーズの対戦相手は、この後日本シリーズ3連覇を決める最強！阪急ブレーブスの1年目で、第一戦の先発は阪急がシーズン11勝のベテラン足立光宏投手。広島カープの先発もベテランの外木場義郎投手。
足立光宏投手は7回3/1を投げ3失点、 外木場義郎投手も8回3/1を投げ3失点。両投手降板後、リリーフの山口高志投手と金城基泰投手が共に延長の試合を0点に抑え 、試合は3対3の引き分けでした。
第二戦は広島カープの先発、佐伯和司投手が5回にKO、阪急のシーズン12勝の山田久志投手の好投で（完投）阪急は5対1で先勝。
第三戦の広島カープの先発は、第一戦のリリーフで好投した金城基泰投手でしたが3回KO。広島カープが後半追いつき4対4で迎えた9回表に、阪急はリリーフの宮本幸信投手を打ち込み7対4で連勝しました。
阪急先発は、こちらも第一戦で好リリーフをした山口高志投手が完投勝利。
第四戦は、再び足立光宏投手と外木場義郎投手の二度目の対戦。足立光宏投手は3回KOでしたが外木場義郎投手は4対4の延長13回、引き分け試合を一人で投げ切っています。
阪急は戸田義紀投手が3回好投後、第三戦で完投した山口高志投手を7回から三度登板させますが、延長13回表に外木場義郎投手から奪った1点が守れず、その裏に力尽き同点に追いつかれ引き分け。
第五戦も再び山田久志投手と佐伯和司投手の先発で、広島カープは金城基泰投手→宮本幸信投手と継投し、好投の山田久志投手と1対2の投手戦の9回裏、2本のヒットで同点、逆転のチャンスを迎えました。
しかし、阪急はここで連投、4度目の登板になる山口高志投手を起用し、後続の3人が抑えられ広島敗退。
外木場義郎投手の力投で2試合を引き分けましたが、3連敗で後がない広島カープの第六戦の先発は2年目の池谷公二郎投手でした。
阪急の三度先発の足立光宏投手を、広島打線が2回にとらえ2点先取。足立光宏投手KO後、阪急は戸田義紀投手が好投し試合は3回を終わって2対1と広島リード。
が、シリーズ初先発、初登板の池谷公二郎投手が4回に阪急打線につかまり6点取られ逆転されると、6回から阪急はシリーズ5度目の登板、またまた！山口高志投手を登板させました。
山口高志投手は、打たれたヒットはホプキンスの本塁打1本に抑える好投で、試合は7対3で阪急が勝ち、V9読売ジャイアンツに4度敗れましたが、シリーズ5度目にして4連勝で阪急初の日本一に輝きました。
当然、6試合中5試合に登板。1勝2セーブで胴上げ投手にもなった山口高志投手がMVPを受賞しましたが、外木場義郎投手は2試合だけの登板でしたが、この2試合を引き分けた好投で優秀選手賞を受賞。
最後になりますが、広島カープが伝説の「江夏の21球」で近鉄バファローズをやぶり初の日本一になった1979年、晩年は故障がちだった外木場義郎投手はベンチに入る事もない現役最後の年でしたが、日本一を経験して現役引退しています。
