キャノンボールで日本人を演じたジャッキー・チェンとマイケル・ホイ


日本では、それほど人気があったという記憶はありませんが、欧米ではかなりの人気だったと伝わっているバート・レイノルズ

私的にはバート・レイノルズと言えば、日本公開1981年末、1982年正月映画として話題沸騰だったこちらの「キャノンボール」 に、1997年の「ブギーナイツ」の2作ですかね〜?

でも「キャノンボール」公開時、日本ではそれほどバート・レイノルズは人気がなかったので、この映画の当時の日本での注目は、やはりもっと他のオールスター出演者達でした。

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例えば、日本語で日本人レーサーと紹介されるも、当然、日本人ではないので一言も日本語を話さない(笑)ジャッキー・チェンと、「Mr.Boo!」シリーズで人気だったホイ三兄弟のマイケル・ホイ。

初代のショーン・コネリーと何かと比べられ、当時は色々言われてましたけど安定した人気を誇った、007シリーズのジェームス・ボンドロジャー・ムーアとか。

更には、TV「チャーリーズ・エンジェル」で一躍時の人になったファラ・フォーセット、そして「イージーライダー」のピーター・フォンダ

この辺が当時の日本の若者達を呼べる、名前と顔に『力』があった俳優だったと私は思っております。

また、2作目ではシナトラ一家の親分、フランク・シナトラが登場します。

が、1作目に出ているそのシナトラ一家のディーン・マーティン、サミー・デイヴィスJr.は、当時の日本の若者達は名前は知っていても、年齢的に馴染みは薄かったですね。 

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で、思えば「キャノンボール」は、当時まだイギリス領だった香港とアメリカの合作映画。

今や世界2位のGDPを誇る中華人民共和国ですが、当時はまだ人民服に自転車の国でした。

陸続きでも、随分とイギリス領だった香港とは異なっており、 鄧小平が日本とアメリカを訪問し、あまりの経済格差に愕然とするのは1979~1980年。

そして、今に繋がる経済改革を鄧小平が断行してまだすぐの頃の「キャノンボール」は映画ですから、今の経済大国の中華人民共和国を思うと爺は隔世の感です。

隔世の感と言えば日本もしかりで、未だ1985年のプラザ合意以前なので、1982年の1$は200円台。

キャノンボール」で日本人として描かれてる、日本語を喋らない(笑)ジャッキー・チェン、マイケル・ホイをみればわかる通り、彼等が乗る日本製のスバル4WD=日本ではレオーネはハイテクマシン。




その日本の「小賢しい」ハイテクマシンに、フェラーリランボルギーニカウンタックロールスロイスアストンマーチン、シボレー、ダッジ、ハーレー・ダビッドソンの欧米の名車という組み合わせ。

これが、当時は未だ日本一国だけが、アジア&有色人種国で欧米白人列強国に対抗できる経済力、工業技術力があった国だったという、ある種の証です。

で、この映画の3年後、1985年には日本人にはショッキングだった、アメリカの労働者達が日本車を叩き壊す映像が流れてくる、日米貿易摩擦が起きるんですねー。

だから、、、

私が思うに1986~1991年のバブル時代、アメリカの風当たりも強くなったその入り口の1985年頃より、バブルに向って一直線だった1980年前後の方が、日本はノー天気に幸せだったと思いますね。

国内の経済力しかり世界情勢しかり。

ちなみにエズラ・F・ヴォーゲルの著書「ジャパン・アズ・ナンバーワン」が、世界的なベストセラーになったのは1979年。


で、「キャノンボール」に話しを戻せば、この映画は同年公開のスピルバーグ監督「レイダース/失われたアーク」や、シルベスター・スターローンの「ロッキー3」よりも日本では興行成績が良かったです。

邦画・洋画合わせて1982年の総合1位が、ニカウさんの「ミラクルワールド ブッシュマン」。

この映画はリアルタイムを知る人じゃないとわからないでしょうけど(笑)、当時を知る人なら「あ〜あ〜」と記憶が蘇ると思います。

そして2位が角川映画、人気沸騰の薬師丸ひろ子さんの「セーラー服と機関銃/燃える勇者」で、3位が「キャノンボール」ですから、どれだけ話題沸騰の大人気!大ヒット作品だったかわかると思います。

ただ、今も人気で高評価の「レイダース/失われたアーク」(8位)、「ロッキー3」(5位)と違って、「キャノンボール」の後世の支持を私は感じないですね〜。

まぁ〜その差は、ストーリー、脚本の差でしょうか?(笑)。「キャノンボール」はオールスターコメディですからね。

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で、おそらく日本公開1977年だった「激走!5000キロ」が、「キャノンボール」発想の元だと思います。

当時、日本ではスーパーカーブームで、昼は原宿の表参道で高級外車を「見せびらかせてた」若者達は、夜になると青山通りでゼロヨンやってましたからねー(笑)。

その後、世襲政治家世襲社長になったような連中でしょうから、違法行為の青山通りの深夜ゼロヨンは「なかった事」にされてますが(笑)、まぁ〜いいと。

で、「激走!5000キロ」には登場しなかった、お高い!ランボルギーニカウンタック

オープニングから「キャノンボール」はカウンタックを登場させてます。でも乗ってるセクシー美女役が、ホラー映画「ザ・フォッグ」の主演女優、エイドリアン・ボーバー(笑)。

もう一人のタラ・バックマンともども、おっぱいは大きいけど、ゴージャス感を感じなかったですから、あの役こそ!ファラ・フォーセットにやらせた方が、もっと!お客さんは喜んだと思うんですけどねー。

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ちなみにポスター、プログラムの真ん中のレザースーツの女性はどう見てもファラ・フォーセットですが、実際はエイドリアン・ボーバーとタラ・バックマンで、ファラ・フォーセットの役ではありません。

まぁ〜イラストですから見解の相違と言われればそれまでですが、あれは詐欺ですね(笑)。

ファラ・フォーセットはちょいとメンヘラ系の写真家で、ノーブラで男に優しい衣装でしたが、街道レースのレーサー役ではありませんので。

でも、「キャノンボール2」ではあのレザースーツのセクシー美女役、当時ファラ・フォーセットと人気を二分してたスーザン・アントンがやってましたから、こちらは超!納得でした(笑)。