江川卓氏、あと1勝すれば3年連続最多勝だった1982年

2022年末現在、セ・リーグで3年連続最多勝投手というのはおらず、2021~2022年の連続最多勝だった阪神の青柳晃洋氏も、2023年はタイトル獲得は厳しそうです。

で、誠に惜しかったのが巨人の江川卓氏。

江川卓氏は1980年に16勝、1981年に20勝で2年連続最多勝で、1982年も19勝。あと1勝すれば広島の北別府学氏と並んで20勝で3年連続最多勝でした。

が、江川卓氏は大洋との最終戦に先発するも、ソロ本塁打3本浴び5回途中でノックアウト。試合は1対3で巨人が負けています。

実はこの年、巨人は8月終了時点で中日に4ゲーム差をつけ首位独走。2年連続優勝は間違いないと思われていましたし、江川卓氏が18勝をあげたのは9月4日の阪神戦。

まだシーズン終了まで1ヶ月以上あるので、江川卓氏の3年連続最多勝も、2年連続20勝も確実と思われていました。 


ところがこの後、江川卓氏は中日戦、大洋戦で2連敗し(共に1点差)9月28日の中日戦も6対2で勝っていた試合を9回に追いつかれ逆転負け。江川卓氏自身3連敗でしたが、中日がこれで優勝マジックが点灯。

結果的に巨人は9月を5勝8敗3分と負け越し、確実と思われていた連続優勝を逃してしまい、江川卓氏も19勝目をあげたのは10月3日の大洋戦で、約1ヶ月間、勝ち星がありませんでした。 

結局、江川卓氏は19勝12敗、広島の北別府学氏が20勝8敗1Sで最多勝

防御率江川卓氏は2,36と2位で、惜しくも2年連続最優秀防御率賞も逃しますが、1位は大洋の斉藤明夫氏の2,07なので、9月の3連敗と最終戦のソロホームラン3連発の途中降板が悔やまれます。

で、江川卓投手が3年連続奪三振王に輝くのはこの年が最後で、シーズン中に肩を痛めたと伝わってますが、おそらく本当でしょう。勝ち星はともかく、翌年より防御率が悪くなり奪三振が減ってますから。

なので、私的にプロ入り後の江川卓投手の全盛時代は、20勝をあげ日本一にもなった1981年と、連続優勝も3年連続最多勝も逃した1982年の2年間だったと思ってます。この当時の江川卓氏の球は速かった!

 

 



最後になりますが、パ・リーグは1990~1993年に近鉄バファローズの野茂英雄氏が入団1年目から4年連続最多勝を記録しており(1990年は西武ライオンズ渡辺久信氏と18勝で同数)、これが日本記録です。

また、西武時代の松坂大輔氏も、入団1年目の1999年から2001年まで3年連続最多勝でした。

2023年のパリーグ最多勝は、オリックスの山本由伸氏でほぼ決定のようですから(9月29日現在)、これで山本由伸氏は3年連続最多勝。2024年も最多勝を獲得すれば野茂英雄氏に並びます!

山本由伸氏は、奪三振王も2020~2022年まで3年連続。最優秀防御率も最高勝率も2021~2022年と獲得しており、前人未到投手四冠王を2年連続獲得。

2023年も9月29日現在、ダントツの防御率1位ですし、最高勝率も同じくオリックスの宮城大弥氏と並んでおり、3年連続投手四冠王の可能性は大です。