上は1962年を舞台にした映画「アメリカン・グラフィティ」で、デビー役を演じたキャンディ・クラーク。下はリアル1963年のジェリー・ルイスの映画、「底抜け大学教授」のステラ・スティーブンス。
特徴的な髪型が、そっくり!
ジョン・F・ケネディ大統領時代の1962~1963年のアメリカは、マリリン・モンローしかりで、こんな髪型が白人女性の間で流行ったのかしら?
日本であの時代のフィフティーズ、オールディーズの女性というと、ポニーテイルイメージが強いですが、実際に当時の映画を観ても、パーマをあてた髪型が多く、ポニーテイルを観ることは殆どない。
ちなみにステラ・スティーブンスって、1973年に日本でも大ヒットした映画「ポセイドン・アドベンチャー」で、アーネスト・ボーグナインが演じた刑事の、元娼婦の奥様、リンダ役をやってた方です。
又、「アメリカン・グラフィティ」と同じ、古のアメリカを描いた1978年の映画「グリース」もしかり。
「私はサンドラ・ディー」 (Look At Me, I'm Sandra Dee)という楽曲で、こんなカツラを女の子達がつけて楽しんでるシーンがあります↓。
ですから、どうもフィフティーズ、オールディーズ=ポニーテイルというのは、日本独自の錯覚文化のようです(多分、70年代半ばのユーミン=荒井由実さん、アンルイスさんのステージ衣装の影響)。

で、映画「アメリカン・グラフィティ」で、眼鏡の冴えないテリーが、友人に借りた車でデビーをナンパする時、二人のやりとりで、サンドラ・ディーとコニー・スティーヴンスの名前が出ます。
が、ここが!当時のアメリカ人なら笑えるシーンなのでしょうが、日本人にはよくわからない、笑いがおきなかったシーン。
何故なら、アメリカではアイドルとして大人気だったらしいサンドラ・ディー、そしてコニー・スティーヴンスが、当時の日本ではアメリカと違い人気がなかったからです。
日本でフィフティーズ、オールディーズファンは、『コニー』と言えばコニー・フランシスで、コニー・スティーヴンスの名前が出ることはまずない。
まぁ〜コニー・フランシスは、日本の和製ポップス(洋楽を日本語詞で歌うあれ)ブーム期に「ヴァケイション」「大人になりたい」「可愛いベイビー」「ボーイハント」等大ヒットしましたからね。
一方、コニー・スティーヴンスは日本で大きなヒット曲がなかったし、TVドラマ「ハワイアン・アイ」を観てた方ぐらいしか、彼女を知らないでしょうからね〜。この辺がアメリカと日本の温度差でしょう。
ちなみにコニー・スティーヴンスもコニー・フランシスも、髪型はポニーテイルではないです。
又、私の「昭和芸能日本」七不思議の1つに、1960年前後、日本でもロカビリーや和製ポップスは流行ったのに、何故?アメリカのお気楽サーフィン映画やビーチものが、流行らなかったのか?があります。
だから、お気楽サーフィン映画やビーチものでアメリカで人気だったサンドラ・ディーって、日本で馴染みがないんですよね。これアネットもしかり。
アネットは、日本で田代みどりさんが和製ポップスブーム期に彼女の「パイナップル・プリンセス」をカヴァーヒットしてますが、田代みどりさんは知っててもアネットを知ってる方は少ないと思います。
又、男でも、「グリース」にカメオ的に出演していたほどのフランキー・アヴァロンも、お気楽サーフィン映画やビーチものでアメリカでは大人気だった方なので、同じ理由で日本では知名度は低いです。
フランキー・アヴァロンは、ちょいと気の利いたフィフィティーズ、オールディーズファンの間で1959年にヒットした「ヴィーナス」で知られてるぐらいじゃないかな〜?
サンドラ・ディーも、古の洋画ファンなら1959年のアメリカ映画「避暑地の出来事」でご存知と思いますが↓、一般的に日本でそんなに知られてる方ではないですね。

又、しつこいようですが、サンドラ・ディーもアネットも髪型はポニーテイルではなく、パーマをあてたものです。なので、当時のリアルアメリカ映画で、ポニーテイルを探すのは大変です(笑)。
「アメリカン・グラフィティ」でも、今や映画監督として大活躍のロン・ハワード演じたスティーヴの恋人ローリー(シンディ・ウィリアムズ)も、サンダーバードの謎の女もポニーテイルではありません。
映画「グリース」で、ヒロインのサンディーを演じたオリビア・ニュートン=ジョンも、ポニーテイルではなかったです。

