日本では劇場未公開だったそうな、1975年のイタリア映画「白衣に秘められた幻想」。
日本でDVD化する時につけた邦題ですが、原題は「ザ・ナース」だそうですから、相変わらずこのへんは日本はタイトルに、商魂の磨しさを感じますね（笑）。
その昔のサスペンスドラマやAVとか、タイトル勝負ですからねー（笑）。
で、「白衣に秘められた幻想」は一言で言ってしまえば、エロチック・コメディです。
ストーリーは、コメディにしなければ、日本の火曜サスペンス劇場にもなるようなそれ。
お金持ちの爺さんが突然心臓発作で倒れ、一命はとりとめたものの集まった親族は、早く爺さんを死なせて財産をもらいたいという物語。
そこで爺さんに、色っぽい巨乳のナースを介護につけ、もう一度心臓発作を起こさせようとするわけで、このナースが初代ボンドガールで、007シリーズファンにはお馴染み！ウルスラ・アンドレス。
ウルスラ・アンドレスは1971年に日本の三船敏郎氏、フランスのアラン・ドロン、アメリカのチャールズ・ブロンソンの共演で、当時は話題になった「レッド・サン」にも出演していました。
「白衣に秘められた幻想」が製作された頃、日本は今と違い熟女ものは流行ってなかった！
が、しかし、、、
どうも ウルスラ・アンドレスの顔は、日本人好みの「外人」の顔ではないようで、名前は有名でも、例えば雑誌「スクリーン」の女優人気投票で、上位に入るような人ではなかったように記憶してます。
だから、、、
こちら「白衣に秘められた幻想」は、劇場公開スルーされちゃったのかも知れませんね。
あと、ウルスラ・アンドレスが007シリーズの記念すべき1作目「ドクター・ノオ」出演時は26歳でしたが、「白衣に秘められた幻想」の時は39歳。
今でこそ熟女ものは人気ですが、当時の日本はティーエンジャーのアイドルの女の子が爆発的に人気だった時代で、三十路どころか20代後半で「おばさん」扱いするのが当たり前でしたから、39歳はトウがたち過ぎてると、配給会社が判断したのかもしれないですねー。
「レッド・サン」でもウルスラ・アンドレス、悪い女のとても！良い役やってたんですけど、それほど日本で大きな反響はなかったしね〜。
で、この映画！面白い！
バカバカしいと言えばバカバカしいのですが、男がバカばっかで、最後は賢い女が勝つってな物語、サスペンスでもコメディでもなんでも、ボクは好きなので。
以下、ネタバレありなので、嫌な方はスルーしてください。
やはりエロチックコメディは、イタリアものだな〜と感心する作品！
ウルスラ・アンドレス演じるナース、半乳出して、どう見てもナースには見えない、ピンサロかAVのナースみたいなんですが、ちゃんと爺さん看病しちゃって、爺さんどんどん病状が回復しちゃう。
親族は待ちきれないでイライラして急かすし、ナースの悪巧みを知った孫は怒って、大好きだったナースを避けるようになるし、、、
このへん普通にサスペンスにしても、かなり面白い展開だと思います。
松本清張氏の「強き蟻」とか、映画版「疑惑」に通じるものがありますからねー。
でもナース、避ける孫を誘惑！
このへんの、年上の女が童貞（多分）の男の子を、色香でいたぶる描写！
欧州のエロチックコメディの見せどころ！、本当に素晴らしいシーンです（笑）。
ナースを拒絶して寝てる孫の部屋入って、ストリップをやるんですから、こりゃー孫はたまらない。脳天ぶっ飛びます。
助平モードにならないよう、ベットに全裸で入ってくるウルスラ・アンドレスから逃げた孫は、部屋の中で当時の男の子が憧れる「男の中の男」、ボクサーやF１レーサーの名前を連呼して、煩悩を払おうとするこのシーン！
最高です！（笑）。
モハメッド・アリ、ジョー・フレイジャー、ケン・ノートン、ジョージ・フォアマン、ニッキ・ラウダ、、、
2020年現在、還暦前後の爺で、若い頃ボクシングやF1に興味があった人なら、涙出る名前を並べ、この孫は全裸でベッドで誘惑するウルスラ・アンドレスを無視しようとしますが、、、
そりゃー無理っしょ？（笑）。
特に10代の男の子じゃ、これ万国共通。
悪い女もので、被害者の恨みもかわずの、これほど見事な完全犯罪作品は他にないかも♪
で、孫に自分は爺さんを殺したがってる親族に雇われてるけど、そんな気はない、自分は爺さんに愛を感じてると、孫を味方につけるんですねー。
悪くて賢いですねーこのナース！
で、結局、病状が回復した爺さんと孫を味方につけたナース、親族達の悪巧みがバレるように細工して、現行犯でその悪巧みを知った爺さん、激怒して親族みんな追い出しちゃう。
そしてめでたく！爺さんとナースは結婚、新婚旅行！
これで終わったら、何にも面白くない（笑）。
新婚旅行中、飲食にも気づかいを見せ、爺さんといつまでも愛ある生活を続けたいと体を労るナースに、爺さんはますます惚れちゃう。
そして勝負の夜！（笑）
このナース、爺さんの親族に雇われた小切手の額など目ではなかった。
「太陽がいっぱい」でアラン・ドロン演じたトム・リプリーと同じ、狙いは爺さんの全財産！
性行為はまだ体に悪いから「ダメよ」「ダメダメ」とウルスラ・アンドレス、爺さんの体を気づかってるように見せ拒否しますが、シュミーズから片乳だしての無茶苦茶！エロ、、、
やるなー！、、、
結局、孫と同じで我慢できない爺さん、、、
ってな話で、爺さん、こんな素敵な女に愛されて自分は幸せだったと、何の恨みもナースになく、幸福感と絶頂感の中の昇天。
最終的に「勝者！ナース！」という、素敵な映画（笑）。
ちなみに「白衣に秘められた幻想」、ウルスラ・アンドレスだけではなく、他の出演女優達、みんな！潔く、おっぱい出してて、けっこう、おっぱいオンパレード映画です。
ボカシ入ってますけどウルスラ・アンドレスも、思いっきり全裸シーン多々あります。
