1970年代の若き頃の私も、60年代から引き続きのフォートップスやテンプテーションズの名曲と共に、シュープリームスの曲でも踊り場で踊っていましたが、メンバーはダイアナ・ロスしか知らなかった。
なので、全ては後追い情報につき偉そうな事は言えないという前提で、、、
日本公開2007年の映画「ドリームガールズ」は、シュープリームスをモデルにしてるのは有名な話しですが、ただし自伝でもドキュメンタリーでもない、基本はフィクション。
なので、ビヨンセがモデルとして演じた実際のダイアナ・ロスは、あ〜んなに良い人ではないのは(笑)、ちょっとした音楽ファンならご存知でしょう(笑)。
で、、、
ジェニファー・ハドソン演じた「シュープリームスの創設者だけど、そのシュープリームスから外された」フローレンス・バラードは、30代の若さで亡くなっております。
このへん、ザ・ローリング・ストーンズを作ったけどグループを解雇され、27才の若さで亡くなったブライアン・ジョーンズに、とても良く似てます。
まぁ〜フローレンス・バラードがメインシンガーを外され、ダイアナ・ロスがメインに抜擢されたのは、勿論プロですから、第一の理由は経営者のバリー・ゴーディJr.の「商業的な理由」。
ですが!、、、
こちらも有名な話しですが、そこには『女』としてのダイアナ・ロスに対すバリー・ゴーディJr.の『男としての私情』が入っての事なのも、これもちょいとした音楽ファンならご存知の筈。
また、映画でも描かれてましたが、やっぱりシュープリームスの曲を書いていたホーランド=ドジャー=ホーランドが、自分達の曲にはフローレンス・バラードよりダイアナ・ロスの声の方が合うと決断した。
これが私は大きかったんじゃないかな〜?と、勝手に思っています。
1971年、ダイアナ・ロスは長い間親しい関係にあったベリー・ゴーディJr.との間に子供が生まれますが、その子はダイアナ・ロスのマネージャーだったロバート・シルバースタインの子として育てています。
それまでにベリー・ゴーディJr.は2度の結婚・離婚を繰り返し、愛人との間にも子供がおりましたし、お金持ちですから、ダイアナ・ロスとの子が産まれても動じるような男ではなかったでしょう。
でもダイアナ・ロスはロバート・シルバースタインと結婚しています(その後、離婚。富豪と再婚)。
一方、ソロになって大活躍だったそんなダイアナ・ロス共々、シュープリームスに既にいなかったフローレンス・バラードも、モータウンの運転手をやっていたトーマス・チャップマンと結婚。
彼を新しいマネージャーとして1968年にABCレーベルと契約を結び、ソロシンガーとして再デビューしました。
が、フローレンス・バラードはダイアナ・ロスのようにソロになって売れたわけではないですし、旦那にも逃げられ生活は困窮。1976年に冠動脈血栓で32才の若さで亡くなっています。
後にシュープリームスと命名された偉大なグループを作った女性にしては、悲しい最後で、わりとハッピーエンドの映画「ドリームガールズ」の後半はフィクションです。
フローレンス・バラードもブライアン・ジョーンズも、自分で作ったグループを解雇された!
で、一方のザ・ローリングストーンズもデビュー後すぐにイギリスで人気バンドになりますが、ブルース、R&R、R&Bのカヴァーばかりでは、人気者になっても印税が入らない。
なので、同じイギリスのザ・ビートルズを見習って自分達で曲を作れと、当時のマネージャーでありレコードプロデューサーだったアンドリュー・オールダムから「命令」が下ります。
ところがアンドリュー・オールダムのこの「命令」は、何故か?リーダーのブライアン・ジョーンズではなくミック・ジャガーとキース・リチャーズに下ってる。
このへん下衆の勘ぐりですが、私はアンドリュー・オールダムは最初からブライアンが、人として男として嫌いだったんじゃないのかな?と勝手に思ってます。
何故ならこの時点で、ザ・ビートルズのジョン・レノンとポール・マッカートニーと違い、ミックもキースも、そしてブライアンも作詞作曲なんて誰も出来なかったし興味もなかった。
彼らストーンズは、イギリスにアメリカのブルース、R&R、R&Bを広める為に結成された基本はカァーバンドで、オリジナル曲で印税を稼ごうという発想のなかったバンドだったからです。
ですから、ある日突然!ミックとキースがオールダムにオリジナル曲をかける才能を見せたわけでもない。
更にアンドリュー・オールダムは、ストーンズを作ったブライアン・ジョーンズではなくミック・ジャガーをバンドの顔として、マスメディアにもリーダー扱いで対応させるように徐々になっています。
これはモータウンのバリー・ゴーディーJr.が、シュープリームスを作ったフローレンス・バラードではなく、ダイアナ・ロスをメインシンガー、グループの中心にしたのと似てるように感じます。
勿論!音楽は巨大ビジネスですから、それが商売第一の方針だったとしても、そこは人間ですからシュープリームスなら男女の感情、ストーンズなら男同士の好き嫌いがあったとしても不思議じゃない。
まぁ〜バリー・ゴーディーJr.の直感同様、結果的にオールダムの直感は正しかったわけで、ミックとキースは作詞作曲者として花開いたのに対し、ブライアンは全くオリジナルを作れず仕舞い。
ところが!、、、
後にアンドリュー・オールダムは、推していたミックとキースにブライアンと共に解雇され、ブライアンは解雇された直後の1969年7月、自宅プールで死亡。27才の若さでした。
まぁ〜ブライアン・ジョーンズも、後にシュープリームスと名付けられたグループを作ったフローレンス・バラード同様、ストーンズを作った男ですから、色々思うところもあった事でしょう。
自分が作ったグループ、バンドから追い出されるというのは、それが例え自業自得とは言え(特にブライアンの素行は度を越していた)辛かったのではないでしょうかね〜。
このへん、本当に巨万の富が動いたショービジネスの「お金儲け」と人間関係というのは、どんな世界でも難しいものだと、つくづく思います。