「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」「怪奇大作戦」全てに出演した田村奈巳さん


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1960年代後半、伝説の円谷プロの特撮・怪獣テレビドラマ、「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」「怪奇大作戦」の4作全てに出演した女優さんがいます。

東宝女優からフリーになった田村奈巳さんが、その方。

ウルトラQペギラが来た(1966年)
ウルトラマン=怪獣墓場(1967年)
ウルトラセブン=超兵器R1号(1968年)
怪奇大作戦=光る通り魔(1968年)


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まず最初が「ウルトラQ」の、今も人気怪獣のペギラ登場の「ペギラが来た!」の南極基地越冬隊・久原羊子隊員役。撮影時24歳の田村奈巳さん、可愛くて若々しいですね。

この時期、田村奈巳さんは東宝映画の「若い娘がいっぱい」、東映映画の「任侠三国志 佐渡ケ島の決闘」にも出演しておりますし、前年の1965年には日米合作映画「勇者のみ」にも出演。

「勇者のみ」の主演&監督は、かの!フランク・シナトラで、戦争映画なので女優は日米共に一人ずつ出演。田村奈巳さんは三橋達也氏演じた陸軍中尉の花嫁役でした。

1967年には東宝映画、当時人気抜群だった内藤洋子さん(喜多嶋舞さんのママ)と黒沢年男氏による「伊豆の踊り子」で、踊り子の兄の奥さん役で出演しています。

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その1967年、田村奈巳さんは今度は「ウルトラマン」のシーボーズ登場の「怪獣墓場」に、月ロケットセンター所長役で登場!

10代の東宝時代、浜美枝さん、星由里子さんと共に「スリーペット」と呼ばれた美人で可愛い女優とは思えない、牛乳瓶の底のようなメガネをかけた所長役を演じてます。

結局、1966年1月から「ウルトラQ」「ウルトラマン」と続けて放映してきましたが、特撮がおっつかなくなった円谷プロの都合で1967年4月に終了。

同じ時間枠のタケダアワーでは、スポンサーの武田薬品とTBSは、ウルトラシリーズの続編として東映側に依頼したのが「キャプテンウルトラ」でした。

というわけで、ウルトラシリーズでは異色の東映作の「キャプテンウルトラ」には田村奈巳さんは出演しておりませんが、同年9月24日の放送終了の翌週、再び円谷プロの「ウルトラセブン」が放映開始。

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その「ウルトラセブン」の「超兵器R1号」の、今度は前野律子博士役で田村奈巳さんは演じています。

当時としては女性で所長役というのは珍しかったですし、女性博士というのも珍しかったと思いますが、 田村奈巳さんはインテリが似合う、知的で美しい女性だったと言えますね。

1968年にも田村奈巳さんは東宝映画の「斬る」「死ぬのはまだ早い」、松竹映画の「怪談残酷物語」 に出演しており、そして「ウルトラセブン」が終了し、放映開始されたのが「怪奇大作戦」。

こちらの「怪奇大作戦」は当時の円谷プロでは異色で、怪獣が出てこない。

当時、少年だった私は後から知るのですが、東宝は怪獣ものとは別にこの手の怪獣の出てこない怪奇物語も以前より得意としていたわけですが、当時少年だった私はわからなかったので衝撃の特撮番組でした。

だって怪獣が出ないんですから(笑)。


そんな「怪奇大作戦」の「光る通り魔」にも、田村奈巳さんは出演。林洋子役でした。
 
「光る通り魔」は、1958年発表の東宝映画「美女と液体人間」が元ネタなのでしょうか?とても、おどろおどろしいお話。

まぁ〜今も昔も、二十歳前後から三十路前後に向かう女性の顔というのは、微妙に刻々と変わるもので(男もかな?)、田村奈巳さんもおねーちゃん顔から、大人の女性の顔に変わってます。

というわけで田村奈巳さんは1973年に結婚を機に、一度引退しているので、一般的には知名度の低い女優さんですが、コアな特撮・怪獣ものファンにはレジェンド女優です。