ダウンタウン・ブギウギ・バンド、矢沢永吉氏が開拓した女性化粧品の男性シンガーCM

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1977年、春から夏にかけての資生堂のCMソングに、ダウンタウン・ブギウギ・バンドの「サクセス」が採用されヒットしました。

翌1978年には矢沢永吉氏の「時間よ止まれ」を採用、こちらもヒットしましたが、何故に?資生堂は、ダウンタウン・ブギウギ・バンド矢沢永吉氏だったの?って、今更ながら思います。

なんたってカネボウの1977年は、衝撃の!クッキーフェイス、夏目雅子さん登場で、野郎どもは盛り上がりましたし、音楽はイギリスの女性シンガー、ティナ・チャールズ。

この辺は、以前マックスファクターが、ジェーン・シェパード(後に千昌夫氏の結婚離婚)に歌わせた「サマークリエイション」が日本独自の大ヒットしたので、「二匹目のドジョウ」を狙ったのかしら?

でも、夏目雅子さんはこのCMで大人気になりましたが、ティナ・チャールズの軽快な「oh!クッキーフェイス」は、レコード会社と広告代理店の思惑通りには行かず、ヒットはしなかったです。

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で、1978年のカネボウのCMは、前年の夏目雅子さんに続いて、服部まこさんも人気者になり、サーカスの「MR.サマータイム」は、ティナ・チャールズと違い大ヒット。

サーカルは男女混成コーラスグループですが、主旋律は女性シンガーで爽やかな歌声でした。

また、この曲も原曲はフランスのミッシェル・フュガンの日本語カバー。所謂「和製ポップス」からの伝統的な流れのヒットで、こちらも舶来の曲。

だから、今も昔も欧米好きな日本人女性ですから、当時のカネボウのこの音楽戦略は王道だったと思います。

ちなみに、「oh!クッキーフェイス」を歌ったティナ・チャールズは、日本の踊り場でも当時流行った「恋の火の鳥」(I'm on Fire)の5000 Volts というグループのリードシンガー。

 

この曲は全英チャート最高位4、全米ビルボード最高位26位だったので、カネボウと広告代理店の目論見は間違ってはいなかったのですが、「oh!クッキーフェイス」はヒットに至らなかったですね〜。

 


なのに、、、

資生堂は、誰が?最初に和物の「ダウンタウン・ブギウギ・バンドで行こう」と提唱したのか?その時、会議に出席してたであろう資生堂と広告代理店の、他出席メンバーは、どんな反応だったのか?

興味深いんですよね〜。

だって、ダウンタウン・ブギウギ・バンドって、和物ったってサングラスに髭、白のツナギ姿にリーゼント(長髪オールバック?)の「スモーキン・ブギ」ですぜ?

港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」ですぜ?(笑)

映画「トラック野郎」の1作目で、ガソリンスタンドの店員役を、そのまんまのツナギ姿でやってた人達ですぜ?

資生堂って化粧品メーカー、ソレも女性用化粧品ですから、そのCMソングに「男臭い」ダウンタウン・ブギウギ・バンドというのは、あまりにイメージが合わない(笑)。

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しかも当時のダウンタウン・ブギウギ・バンドのファン層って、ティーンエイジャーの非行少年&少女で、そんなに資生堂に銭落としてくれそうな子達じゃなかったから、この決定は冒険だったと思います。 

まぁ〜ダウンタウン・ブギウギ・バンドというより、、、

阿木燿子さんと宇崎竜童氏夫妻が、研ナオコさんの「愚図」、内藤やす子さんの「想い出ボロボロ」、山口百恵さんの「横須賀ストーリー」を、1976年に連続歌謡ヒットさせてたのが、効いたんでしょう。

で、阿木燿子さん作詞、宇崎竜童氏作曲の「サクセス」は資生堂の期待通り、B面の「愛しのティナ」と共に大ヒット!このタイアップは大成功でした。

まぁ〜今で言えば、この資生堂のCMコンセプトは、ライザップみたいなもんでしょうかしらね?(笑)。 


で、♪サクセース〜(成功)

最初に「サクセス」というキーワードありきで、阿木燿子さんと宇崎竜童氏に仕事の依頼があったのかしら?

次の矢沢永吉氏の「時間よ止まれ」は、そういうキーワードが最初から仕事依頼であったそうですから。

ちなみに当時、あの!マスメディア嫌いな矢沢永吉氏が、遂に!CM初仕事みたいに言われてましたけど、あれ大嘘(笑)。ソロ第二弾シングル「真夜中のロックンロール」は、思いっきりCMタイアップ。

また、「トラベリン・バス」もギター持って歌ってるソニーのラジカセCMで、矢沢永吉氏、その前から普通にCM出てましたから(笑)。

なんにしても、矢沢永吉氏の「時間よ止まれ」の資生堂CMは、私的にはクラリオンガールを経た、堀川まゆみさん、衝撃のデビューでした〜↓


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というわけで、ダウンタウン・ブギウギ・バンド矢沢永吉氏が開拓したと私は思ってる、女性化粧品の男性シンガー&ミュージシャンによるCMタイアップ。

この後、資生堂堀内孝雄氏の「君のひとみは10000ボルト」、柳ジョージ氏の「微笑みの法則」、世良公則とツイストの資生堂の「燃えろいい女」と連続ヒットさせてます。

又、カネボウ布施明氏の「君は薔薇より美しい」、桑名正博氏の「セクシャルバイオレットNo.1」と大ヒットが続き(他にもありますが)、歌謡ヒットの一時代を築きました。
 
そんな男性シンガー、バンドの女子化粧品CM曲大ブレイクのルールは、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドでした。

最後になりますが、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの ♪サクセース のCMのモデルだったティナ・ラッツは、残念ながら1992年、41才の若さでエイズで他界されてます。合掌。 

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