ジェフ・ベックでわかる、1970年代のクロスオーバームーブメント!



1975年、リターン・トゥ・フォーエヴァーで「その人あり」になったベーシスト、スタンリー・クラークが3枚目のスタジオアルバム「ジャニー・トゥ・ラヴ」(邦題:慈愛への旅路)を発表。

このアルバムにはジェフ・ベックが2曲参加し、A面2曲目のアルバムタイトル曲「ジャニー・トゥ・ラヴ」と、3曲目の「ハロー・ジェフ」でスタンリー・クラークと共演しています。

「ジャニー・トゥ・ラヴ」のドラムは、当時まだスタッフ結成前、セッションドラマーとして活動していたスティーヴ・ガットで、「ハロー・ジェフ」はリターン・トゥ・フォーエヴァーレニー・ホワイト

まぁ〜1975年のジェフ・ベックと言えば!8月に日本で行われたワールド・ロック・フェスティバル来日で、この時のドラムのバーナード・パーディも、有名なセッションドラマーでした。

というわけで、この当時のジェフ・ベックバーナード・パーディ、スティーヴ・ガット、レニー・ホワイトという、その筋の音楽好きの方々には、おったまげるビッグネームと仕事をしています。



Yahooショッピングで調べる

とは言え、ジェフ・ベックがソロとして完全に活動するようになるとっかかりのギターインストアルバム「ブロウ・バイ・ブロウ」(邦題:ギター殺人者の凱旋)のドラマーは、リチャード・ベイリー。

彼は当時、18歳になるイギリスの新進気鋭のドラマーで、ベースのフィル・チェン共に、必ずしも世界的にビッグネームなプレイヤーではなかったです。

おそらく、レコード会社もジェフ・ベック個人も、ジェフ・ベックが一人で高名なアメリカのジャズ、後のクロスオーバー系のミュージシャンのアルバムに、ゲストとして仕事をするのは良かったのでしょう。

でも、高名な彼らをアメリカからイギリスに呼んで、かなりの時間制約のある中、ジェフ・ベックのアルバムを制作するとなると、旅費やホテル代含め相当なお金が必要になる。

また、ロックフリークには有名でも、ポップシーンではカルロス・サンタナほどの商業的成功も収めていなかったジェフ・ベックの、初の!ギターインストソロアルバムが売れる確証もなかった。





実際、アメリカ人のティム・ボガード、カーマイン・アピスとの話題沸騰だったスーパーバンド!ベックボガード&アピスアピスも、短命に終わってしまっていましたし。

レコード会社もジェフ・ベックの事務所関係者も、そこまでの冒険はできなかったんじゃないですかね〜?プロデュースを依頼したのは、こちらもギャラの高そうなジョージ・マーティンだったし💦

結果、リチャード・ベイリーとフィル・チェンは素晴らしい仕事をして、ジェフ・ベックの「ブロウ・バイ・ブロウ」は、全米ビルボードチャート最高位4位という、ポップチャートでの大ヒット!

ポップシーンでも人気のカルロス・サンタナのアルバムよりも、イギリス人のジェフ・ベックのアルバムが売れたのは、これはアメリカの音楽シーンでも事件であり、時代の流れがこれで変わります。

クロスオーバーから、所謂フュージョンブームに流れた頃、レコード会社はジャズ、クロスオーバー系のギタリスト初めミュージシャンのソロアルバムを、バンバン!発表するようになります。

結果的にカルロス・サンタナジェフ・ベックばりにポップシーンでも大ヒットしたのは、1976年に発表されたジョージ・ベンソンのアルバム「ブリージン」だけでしたが、確実に時代は変化しました。



まぁ〜なんだかんだでマイルス・デイヴィス。彼が1960年代後半になっての、なんとなーくのジャズの衰退とロック、ファンク、R&Bの商業的大成功に、思うところがあったのが音楽の歴史を変えてます。

それも同じアメリカ人で黒人のジェームズ・ブラウンスライ・ストーンジミ・ヘンドリックスが、白人の若者たちにも支持され熱狂させて巨万の富を得ていたのは、相当!思うところがあったよう。

結果的にこのマイルス・デイヴィスの所謂『エレクトリックマイルス』アプローチと、そこで起用した若手のミュージシャンたちが、この後のクロスオーバーシーンの中心になったわけです。

「ブロウ・バイ・ブロウ」の大成功で、レコード会社もジェフ・ベックの事務所も安心したのでしょうか?次の1976年発表のアルバム「ワイアード」の参加ミュージシャンは、大盤振る舞い!

マハビシュヌオーケストラからナラダ・マイケル・ウォルデンヤン・ハマー、日本でのワールド・ロック・フェスティバルでジェフ・ベックのサポートをした、ウィルバー・バスコムを呼んでいます。

で、1978年のジェフ・ベック3度目の来日は、遂にスタンリー・クラークとの来日。ドラムに21歳だったサイモン・フィリップス、キーボードにトニー・ハイマスの4人編成は、ある種のスーパーバンド!

が、それは数年前に日本のニューロックファンがジェフ・ベックに期待した、ハードロック的なスーパーバンドではなく、ギターインストのクロスオーバー、後の所謂フュージョンでした。

j


全てのサービスで今すぐ使える!【デジタル版ConoHaカード】 ≪購入はこちら≫