ランディ・バースは、外国人ハズレが続いた阪神タイガースの救世主だった!

 

1980年の阪神タイガースは、ゴールデンルーキーの岡田彰布氏の起用をめぐって諸々があり、ヤクルトスワローズから移籍したデーブ・ヒルトンを5月に解雇(その後、ドン・ブレイザー監督も解雇)。

阪神球団はブルース・ボウクレアをシーズン途中に獲得。80試合に出場し本塁打8本、打率.249の成績でしたが阪神は残留を考えるも、本人がMLB復帰を希望して退団、帰国。

 

image

1976年から5年に渡り活躍した人気のマイク・ラインバックは、本塁打15本、打率.284と悪い成績ではなかったですし、本人も残留を望みましたが球団は解雇しています。

1981年の阪神はポール・デードとダグ・オルト。第3の外国人選手としてスティーヴン・ラムの3選手を新たに獲得。

結果、ポール・デードは37試合に出場し本塁打1本、打率.219と期待を裏切り7月に解雇。これならマイク・ラインバック残留で良かったのにと、当時の阪神ファンは思ったものでした。

 

そして急遽、シーズン途中からダン・ゴンザレスを獲得しましたが、来日してすぐ靭帯を損傷し僅か9試合の出場のみで同年で解雇と、新外国人はさんざん。

ダグ・オルトは102試合に出場し本塁打18本、打率.307と、まずまずの成績でしたが、鈍足と守備の悪さが災いし1年で解雇になっています。 

一方、スティーブン・ラムは57試合出場で、本塁打4本、打率.269でしたが1983年も再契約になっているのが、ちょっと不思議な感じがします。

 


1981年は中西太監督が辞任しましたが、真弓明信氏、掛布雅之氏、岡田彰布氏、佐野仙好氏、ピッチャーでは小林繁氏が好調でチームは3位だったので、外国人が当たりだったら優勝争いをしていたでしょう。

そして、1982年の新外国人選手はキム・アレンとグレッグ・ジョンソン。

キム・アレンは夏場に怪我で戦列を離れましたが78試合に出場。本塁打は3本でしたが、打率.260で盗塁が22の数字を残したので1983年も再契約。

グレッグ・ジョンソンは104試合に出場。本塁打10本、打率.256でしたがこの年で解雇されており、残留組のスティーブン・ラムも7試合出場のヒット1本だけで、同年で解雇になっています。

数字だけ見ると再契約したキム・アレンより、解雇されたグレッグ・ジョンソンの方が良いように感じるので、この頃の阪神球団の考え方は、どうもよくわからないものがありました。

安藤統男監督1年目の1982年もチームは3位であり、前年同様、外国人選手が当たりだったら、この年も阪神は優勝争いをしていたでしょう。


1983年はキム・アレンは残留でしたが、新たにスティーブ・ストローターとランディ・バースを獲得。

当初はスティーブ・ストローターの方が、ランディ・バースより期待されており、28試合で5本塁打、打率.276とまずまずの活躍をしてましたが自打球を当て骨折。戦列離脱してしまいました。

阪神はテストに合格したけれど、外国人枠が一杯だったので契約に至れなかったピッチャーのリチャード・オルセンを入団させたかったのでしょう。スティーブ・ストローターはそのまま解雇。

シーズン途中から加わったリチャード・オルセンは、13試合に登板し4勝2敗1S、防御率3,51と来季に期待を持たせる数字を残し、1984年も再契約になりました。

一方、スティーブ・ストローターに比べ期待されていなかったランディ・バースは開幕当初、15打席無安打という当時の球団助っ人最低記録を更新する不振ぶりでしたが、5月に開眼!

ランディ・バースは113試合に出場し35本塁打、打点83、打率.288。外国人選手では1977年のハル・ブリーデン以来の本塁打30本超え、1979年のマイク・ラインバック以来の打点80超えになりました。

それでもチームは4位に低迷し、打線は揃ってきたものの投手不足が露呈。13勝をあげたエース小林繁氏も31歳の若さで引退してしまった事もあり、この年のドラフトでは上位4名に投手を指名しています。

1984年は久しぶりに新外国人選手のいない年になりましたが、期待のリチャード・オルセンが2勝9敗と大誤算でこの年で解雇されました。

一方、ランディ・バースも打率は.326と上昇しましたが、本塁打27本、打点73と数字を落とし、チームは連続Bクラスの4位。

また阪神名物のお家騒動の結果、安藤統男監督は辞表を提出。吉田義男監督が8年ぶりに復帰し、そして1985年、阪神タイガースの怒涛の快進撃が始まったわけです。 


1985年の新外国人は、リチャード・オルセンに代わり再びピッチャーの リッチ・ゲイル。防御率は4,30と悪かったですが強力打線に助けられ、いきなり13勝8敗の大活躍!

 

1983年のドラフト1位、中西清起氏がこの年からリリーフにまわり11勝3敗19Sと大化け(前年1勝6敗)。先発からリリーフに代えた吉田義男監督の眼力は、たいしたものだと思います。

 

また、強力打線も既に安藤統男監督時代から、真弓明信氏、掛布雅之氏、岡田彰布氏、佐野仙好氏と好打者が揃っていましたが、この年は3年目のランディ・バーズが特に凄かった!

ランディ・バース本塁打54本、打点134、打率.350の大活躍で見事に三冠王を獲得。阪神タイガースは21年ぶりのリーグ優勝を決めると、日本シリーズも西武を撃破し日本一!

ランディ・バースはシーズンだけではなく、日本シリーズでもシリーズ三冠王の大活躍でMVPを獲得。リッチ・ゲイルも2勝をあげ優秀投手賞を受賞しました。