1972年の高校野球春の選抜大会は、2年連続優勝を目指す日大三と日大桜丘の東京代表&兄弟校対決という、今も他に類のない決勝戦でした。
2023年現在、同都道府県同士の決勝戦なら、大会の出場枠のシステムとして全て選抜ですが合計5回あります。
1938年の中京商1-0東邦商の愛知県対決、1941年の同じく愛知県対決の東邦商5-2宮中、1948年の京都一商1-0京都二商の京都対決。
そして1972年の日大桜丘5-0日大三の東京対決で、その後は2017年の大阪対決の大阪桐蔭8-3履正社の5回ですが、兄弟校対決の決勝戦というのは、後にも先にもこの一度だけ。
振り返ると、1972年のこの選抜大会は準決勝で負けた銚子商、東北含め、ベスト4全てが東日本でした。
圧巻だったのが準々決勝4試合全てが東西対決で、日大桜丘が高知の高知商に、宮城の東北が岡山の倉敷工に、日大三が長崎の諫早に、千葉の銚子商が兵庫の市神港に勝ち東側の全勝。
まぁ〜日大桜丘は前年の秋季東京都大会優勝校(日大三は準優勝)。関東大会は銚子商が優勝、東北大会も東北が優勝してますから、東京、関東、東北のNo.1チームが3校出揃った選抜ベスト4でした。
東日本同士の対決になった準決勝は、日大桜丘が東北に9回サヨナラ勝ち。選抜2連覇を狙う日大三は銚子商を5対3でくだし、史上初の東京勢同士の決勝戦、兄弟校対決になったわけです。
初出場初優勝の日大桜丘か?3年連続11回目の出場、選抜連覇を狙う日大三か?東京者は大いに盛り上がった決勝戦でした。
結果は、日大桜丘の通称ジャンボ仲根=仲根正広投手が強打の日大三を2安打完封に抑え、5対0で日大桜丘が初出場初優勝!
そして夏の全国大会に向けた東京都大会は、当時は今の東西2校と違い1校代表でしたので(東西1校になるのは2年後の1974年から)、選抜優勝の日大桜丘と準優勝の日大三の一騎打ちと見られていました。
が、高校野球はやってみないとわからない。5回戦で強豪校同士、それも兄弟校対決になった対日大一戦を2対0で勝った日大三は、六回戦で都立の進学校戸山に0対2で敗退する大番狂せ。
しかし勝った戸山は準々決勝で佼成学園に0対8でやぶれ、そのまま佼成学園が決勝で日大桜丘と対戦しましたが1対5でやぶれ、、日大桜丘は春夏連続出場。夏も初出場を勝ち取っています。