熱闘!早実・斎藤佑樹投手、2006年春夏斯く戦えり

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ハンカチ王子』と呼ばれ、2006年の夏の高校野球全国大会決勝戦の引き分け再試合を制し、夏の大会早実初優勝の立役者となった斎藤佑樹投手。

そんな斎藤佑樹投手は、早実の先輩である王貞治氏や荒木大輔氏のように1年生からレギュラーで甲子園大会に登場したわけではなく、エースナンバー1を背負ったのは2年生の夏の西東京大会でした。

準決勝まで勝ち上がった早実の相手は、春季大会優勝校の日大三。二年生エースの斎藤佑樹投手は日大三に3本塁打を浴び1対8で敗北。日大三は決勝戦も制し、3年連続12回目の全国大会出場を果たしています。

そして新チームになって来春の選抜出場をかけた秋季東京大会で、斎藤佑樹投手は早実を24年ぶりの優勝に導き、見事に2006年の選抜出場を決めます。斎藤佑樹投手、3年春にして初めての甲子園です。

18年ぶり18回目の春の選抜出場の早実の一回戦の相手は北海道の北海道栄斎藤佑樹投手甲子園デビュー戦を8奪三振4安打完封のナイスピッチングで飾り、早実は7対0で勝利し二回戦進出。

選抜でのこの早実の1勝は、なんと!荒木大輔氏以来(ベスト8)24年ぶりの勝利でした(18年前は東京準優勝で選抜されましたが、大分県津久見相手に0対4で一回戦敗退)。

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そして二回戦の相手、岡山の関西との一戦にドラマが待っており、7回表を終わって早実は6対2とリードしてましたがその裏に関西に2点を奪われ6対4の2点リードの9回の表、早実が1点を加え7対4とします。

 

ちなみに今となっては、あの!斎藤佑樹投手の早実ですが、リアルタイム当時は明治神宮大会準優勝の関西の方が圧倒的優勝候補!(優勝の駒大苫小牧は、部員OBの不祥事で出場辞退だったので)。

 

その明治神宮大会で、斎藤佑樹投手の早実は準決勝で出場辞退した駒大苫小牧に3対5で負けています。

そして決勝で同じく駒大苫小牧に0対5で負けたとはいえ準優勝だった関西にしたら、早実恐るるに足らずだったと思われますが、試合はここまで劣勢に追い込まれました。


が、3点差で後アウト3つで試合終了の9回裏、斎藤佑樹投手が突然崩れ、エラーのランナーを出した後、連続デットボールでノーアウト満塁。

 

そして4番バッターに走者一掃の三塁打を打たれ同点。この辺は流石!優勝候補の関西という感じです。

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尚もノーアウト3塁の今度は早実がさよなら負けの大ピンチに、早実ベンチは満塁策を指示し、ここを斎藤佑樹投手はピッチャーごろダブルプレーと三振で切り抜け試合は延長戦に突入しています。

斎藤佑樹投手は延長に入ってからは6回を無失点。6回途中から登板した関西のダース・ローマッシュ匡投手(後の日本ハムファイターズ)も崩れることなく、試合は延長15回7対7の引き分け再試合。

というわけで、斎藤佑樹投手は夏の有名な決勝戦の前に、春の選抜でも引き分け再試合をやっていました。

翌日の再試合の早実の先発は2年生の塚田晃平投手、関西の先発も2年生の中村将貴投手。0対0のまま3回表に早実は1点を先行すると、その裏から前日熱闘231球を投げた斎藤佑樹投手を投入。

斎藤佑樹投手自らのホームランもあり、再び7回表を終わって早実2対0のリードでしたが、このリードも斎藤佑樹投手は前日に続いて守れませんでした。

7回裏に関西に1点返されると、八回裏には何と!センターバックスクリーンに特大の逆転ツーランを斎藤佑樹投手は打たれ、試合をひっくり返されています。

 

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9回表、早実の先頭バッターが打ち取られ1アウト。関西はあとアウト2つで再試合に勝利できたのですが、今度は早実が意地をみせ次のバッターはレフト前ヒットでランナーを出します。

そして、次のバッターの一二塁間のヒットをライトが何と後逸!

球はライトのフェンスまで転がり、一塁ランナーもバッターランナーもホームインで、早実なんと!4対3と再び逆転しています。

この回、関西の中村将貴投手のここで投げたボールはアウト含め僅か3球。全て初球打ち。3球で試合がひっくり返ってますから、本当に高校野球は何が起きるかわかりません。

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が、しかし斎藤佑樹投手が、味方のエラーもありましたが9回裏に四球と内野安打で再びツーアウト満塁、一打さよなら負けのピンチを迎えてしまい、バッターは前日9回に同点三塁打を打たれた四番!

なんとか四番をキャッチャーファールフライに打ち取り、早実はベスト8進出(荒木大輔氏以来)。

斎藤佑樹投手は2日で334球、22回投げ被安打19本、失点は10(自責点8)と、ナイスピッチングとは言えませんでしたが投げきりましたが、横浜との準々決勝は翌日。斎藤佑樹投手は3連投になりました。

流石に高校生で若いとは言え3連投は疲れもあったでしょう。先発した斎藤佑樹投手は1回に2失点、3回に4失点の計6失点(自責点3)でノックアウトをくらってます。

その後、再びマウンドに戻った斎藤佑樹投手でしたが試合は3対13で大敗。

とはいえ横浜は準決勝の岐阜の岐阜城北も12対4、決勝の長崎の清峰は21対0の圧勝での選抜優勝でしたから、早実はとても打線の強いチームに負けたという印象は残りました。

荒木大輔投手から斎藤佑樹投手までの間、強い早実は途絶えていた!

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そして斎藤佑樹投手、3年最後の夏の西東京大会も楽ではなく準決勝の日大鶴ヶ丘は5対4の辛勝で、決勝は4年連続甲子園出場を目指す宿敵日大三

いきなり1回表に日大三に2点を先制された早実なれど、1対3の劣勢から5回6回に1点ずつを上げ追いつき、西東京大会決勝でも延長戦に突入しています。

延長10回表1点を取った日大三でしたが、後アウト3つが難しくその裏に再び早実に同点に追いつかれ、延長11回裏5対4で早実はさよなら勝ちで10年ぶり27回目の夏の甲子園出場を決めています。

早実は強いイメージがありますが、荒木大輔氏の5季連続出場の1982年夏のあとは2006年の斎藤佑樹投手の春夏連続出場まで、春夏1回ずつしか出場しておらず春は初戦敗退、夏も二回戦敗退。

結局、荒木大輔投手最後の夏から斎藤佑樹投手春夏連続出場までの24年間!強い早実は甲子園で遠ざかっていました。

ちなみにこの西東京大会決勝で早実が負けていたら、斎藤佑樹投手はあそこまで人気者になることはなく、高校卒業時は勿論、早稲田大卒業後にプロ野球から声がかかったか?どうか?微妙だったでしょう。

選抜の一回戦は完封でしたが、2日に渡る熱闘とはいえ関西戦では打たれてますし、準々決勝の横浜戦は滅多打ちくらってますから、それほどプロのスカウトの印象に残る投手ではなかった筈ですから。



そんな斎藤佑樹投手運命の2006年夏の全国大会の早実は、1回戦の大分の鶴崎工を13対1。そして二回戦の相手は早実が選抜で大敗した春の優勝校の横浜相手に11対6と打ち勝った大阪の大阪桐蔭

下馬評では横浜をやぶった大阪桐蔭と、春には横浜に大敗した早実ですから大阪桐蔭有利でしたが、この試合で斎藤佑樹投手はナイスピッチングをしました。

斎藤佑樹投手は大阪桐蔭戦の2年生スラッガー中田翔氏を4打数3三振に打ち取り、毎回の12奪三振の快投で早実は11対2と圧勝。斎藤佑樹投手がプロに注目を浴びたのは、この試合からだったでしょう。

更に早実は三回戦の福井の福井商を7対1、準々決勝の山形の日大山形を5対2(10奪三振)、準決勝の鹿児島の鹿児島工斎藤佑樹投手は13三振を奪い5対0と、春の一回戦に続いて二度目の甲子園での完封勝ち。
 
斎藤佑樹投手は西東京大会でも打たれて苦戦してますが、この夏の甲子園大会が投手としてベストだったのではないか?と思える、それまでにない素晴らしい危なげのないピッチングを披露しています。

そして有名な、斎藤佑樹投手の名前と顔をさほど野球に興味のない女学生、人妻熟女にまで知らしめることになる駒大苫小牧との運命の決勝戦を迎えます。

準々決勝から斎藤佑樹投手、春の選抜の準々決勝に続いての3連投になりましたが、7回まで双方無得点0対0の投手戦のナイスピッチング!

そして、8回表ワンアウトから駒大苫小牧の二番が渾身の一振りで、センターバックスクリーンにホームランをぶちこみ、勝ち越し。


駒大苫小牧田中将大投手もナイスピッチングだったので、試合はこのまま終わるんじゃないか?と思いきや、8回裏に早実が粘りを見せます。

 

ワンアウトから二塁打と中継ミスで三塁まで進んだランナーを、4番がセンターバックスクリーン前まで飛ばす犠牲フライですぐに1対1の同点。

結果は延長15回1対1の引き分けで、この3日間で斎藤佑樹投手は33回投げています。

それでも斎藤佑樹投手と同じレベルのピッチャーのいない早実、そこは決勝戦ですから翌日の再試合も斎藤佑樹氏は先発しなんと4連投。

一方、駒大苫小牧は大会前に体調を崩した田中将大投手は2試合とも先発せず、先発の菊池翔太投手と二人で投げていました。

なので、この辺も判官贔屓の日本人。孤軍奮闘の早実のマウンド!斎藤佑樹氏に勝たせてやりたいという気持ちが、強く働いた事でしょう。

4連投の斎藤佑樹投手、疲れも見せずの思いの外のナイスピッチングで8回を終わって早実4対1のリード。

あとアウト3つで、春の選抜は優勝しましたが夏はあの王貞治氏も荒木大輔氏も成し遂げられなかった、早実の初優勝でしたが、やっぱり斎藤佑樹投手ここでも打たれます。

ノーアウトでツーストライクと追い込んだ斎藤佑樹投手、ポテンヒット風のレフト前ヒットを打たれると、何と三番バッターがジャストミートで!センターバックスクリーン横にツーランホームラン!

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試合は4対3の1点差で、しかもまだノーアウト。

しかし、ここで斎藤佑樹投手が見せます!魅せます!

4番を三振、5番をセカンドフライに取りツーアウト。バッターは田中将大投手。これはシナリオのあるドラマかってほどの名場面になりました。

ツーストライクと追い込んでから、斎藤佑樹投手が投げたボールになる見せ球のストレートは147キロ!

4連投の9回で147キロのストレートに場内がどよめき、バッターの田中将大投手もファール、ファールとねばります。

が、最後は144キロの外角のストレートを空振り三振。斎藤佑樹投手が投げ勝ち、早実夏の初優勝を決めました。

斎藤佑樹投手、2006年春夏斯く戦えり!

甲子園通算成績  8勝1敗 (2分)  

登板:11試合
完投:8  
完封:2  

投球回数:106
被安打:71 
奪三振:104  
四死球:35
失点:26 
自責点:20
防御率:1.86




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