日本公開2013年の映画「ジャンゴ 繋がれざる者」。
人気のクエンティ・タランティーノ監督が、1966年のマカロニ・ウェスタン「続・荒野の用心棒」の主人公の名前=ジャンゴと主題歌をそのまま使ってます。
まぁ〜「続・荒野の用心棒」ったって、クリント・イーストウッド主演の「荒野の用心棒」とは、主演もフランコ・ネロで物語も何の繋がりもない、「続」というタイトルなのに続編でもなんでもない映画。
日本の黒澤明監督の「用心棒」を無断でイタリア映画がパクった「荒野の用心棒」が、1965年末から初頭に日本でも大ヒットしたので、日本の配給会社がお客さんを騙すために(笑)つけた邦題ですね〜。
で、今や前途なき耄碌爺の私でも、この辺のマカロニウェスタンは全て!後追いの70年代に観てます。
で、「荒野の用心棒」「続・荒野の用心棒」のみならず、「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン」も続編でもなんでもないし(笑)、少年の頃はこの邦題で随分と頭がこんがらがったものでした。
まぁ〜この4作品の中で唯一!アメリカ人のクリント・イーストウッド主演ではない、イタリア人のフランコ・ネロの主演が「続・荒野の用心棒」。主人公のその名もジャンゴ。
同じく監督も4作品のうちイタリア人のセルジオ・レオーネではない、同じくイタリア人のセルジオ・コルブッチの作品が「続・荒野の用心棒」。
主演のフランコ・ネロは「続・荒野の用心棒」で世界的に知名度が上がったと言える作品で、ジャンゴは当たり役でした。
そのフランコ・ネロを「ジャンゴ 繋がれざる者」に↑一瞬だけ出演させてるところが、タランティーノの素敵なところですね〜。
あと、私的には(お〜っ!)と痺れた、映画「ウッドストック」で印象深いリッチー・ヘヴンズのギターと歌唱が痺れる「フリーダム」の使い方も最高でした。
タランティーノはどの映画も、音楽の使い方とそのセンスが抜群に良い!
まぁ〜タランティーノは2021年現在で西部劇は2本撮ってますが、この後の「ヘイトフル・エイト」同様いかにも!タランティーノっぽい作品で、「ジャンゴ 繋がれざる者」も楽しめました!
「ヘイトフル・エイト」も主演は黒人ガンマンのサミュエル・L・ジャクソンでしたが、こちらも黒人ジェイミー・フォックスが主演。
ジェイミー・フォックスは、レイ・チャールズを演じアカデミー主演男優賞を受賞した、日本公開2005年の「Ray/レイ」が私的にはとても印象深い俳優です。
そして「ヘイトフル・エイト」では黒人の賞金稼ぎ役を演じたサミュエル・L・ジャクソンでしたが、こちら「ジャンゴ 繋がれざる者」では、黒人の賞金稼ぎのジェイミー・フォックスの敵役。
白人のボスに忠実な、かなり嫌〜な野郎をサミュエル・L・ジャクソンは好演しています。
そしてその白人のクソ野郎を演じたのが、あの!レオナルド・ディカプリオで、 「ジャンゴ 繋がれざる者」に登場の白人は、クリストフ・ヴァルツ、ドン・ジョンソン含め、皆さん髭面で端正な顔立ち。
何か?タランティーノに意図はあったのかしら?
まぁ〜何にしても映画史に残る銃撃戦も楽しめる「ジャンゴ 繋がれざる者」。最高の娯楽作でもあり、また、アメリカの黒歴史である奴隷制を描いた名作、正に傑作!
アカデミー賞ノミネートは作品賞、脚本賞、助演男優賞、撮影賞、音響編集賞の5部門で、見事に!脚本賞、助演男優賞の2部門が受賞されています。
タランティーノの脚本賞受賞は「パルプ・フィクション」以来2度目、助演男優賞を受賞したクリストフ・ヴァルツも、タランティーノ監督の前作「イングロリアス・バスターズ」に続いての快挙!
クリストフ・ヴァルツはオーストリア出身の元々は舞台俳優で、「イングロリアス・バスターズ」でのジェントルマンなれど冷酷冷淡なナチ親衛隊役に続いて、「ジャンゴ 繋がれざる者」もドイツ人役でした。
最後になりますがジェイミー・フォックス演じるジャンゴに、最後は救出される引き裂かれた夫婦役の奥様を演じているケリー・ワシントンは「Ray/レイ」でも、夫婦役を演じてましたね〜♪