石坂浩二氏演じた金田一耕助、横溝正史原作映画は1970年代後半大ブームだった!

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1976年から1979年までの間、5作も製作発表された横溝正史原作の人気シリーズ、金田一耕助もの。

 

全5作、監督は全て!市川崑監督。金田一耕助を演じた石坂浩二氏。役名は橘、橘、等々力と変わってますがマヌケな刑事役を演じた加藤武氏が、共に全5作に出演しています。

 

加藤武氏は既に1960年代より名優でしたが、1973~1974年の東映仁義なき戦い」シリーズで重要な役所の打本組組長を演じ、一時代を築いての後のこのマヌケな刑事役も、大当たりでした。

 

更に、全て地道な役どころでしたが全5作に出演しているのが、ベテランの大滝秀治氏、三木のり平氏、小林昭二氏。

 

女優では唯一!草笛光子さんが全五作に出演しており、なかなか脇が私なんかより年上の方には、心惹かれる配役だったと思います。

そして第一作目の「犬神家の一族」は、角川映画の記念すべき第一弾で、オールスターキャストで莫大な宣伝費をかけても、原作の本が売れ映画もヒットすれば十分にペイできる事を世に示した映画と言えます。

 

犬神家の一族」は1976年の映画興行収入で、邦画では「続・人間革命」に次ぐランキング2位の大ヒット!洋画の「オーメン」よりもランクは上でしたから、凄いヒットでした。

 

そんなわけで第一作目は配給だけでしたが、映画の大ヒットにより第二作目から第五作目までは製作も請け負った東宝

 

映画会社も商売ですから、儲からない大赤字覚悟の冒険はしませんから、どれだけ「犬神家の一族」が当時の大ヒットが、凄い現象だったか?後世の方も、推して知ってくださいませ。

 

で、元々、金田一耕助作品の映画化は東映が得意で、片岡千恵蔵氏等が演じていましたが、その金田一耕助を10数年ぶりに復活させたのは、角川より先にATG!

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犬神家の一族」の1年前の1975年に、中尾彬氏が金田一耕助を演じた「本陣殺人事件」で、こちらの「本陣殺人事件」の小ヒットが、「犬神家の一族」の良いプロモーションになってたような記憶が、私はあります。

 

そして1970年代後半、一大ブームを巻き起こした東宝金田一耕助シリーズの間に、松竹が渥美清氏に金田一耕助を演じさせた「八つ墓村」を1977年に発表しています。

 

そして「八つ墓村」は1977年の映画興行収入ランキングで、邦画では「八甲田山」、角川映画第二弾「人間の証明」に次ぐ大ヒットしています。

 

何と!同年2本も上映された、東宝石坂浩二氏の金田一耕助シリーズ第二弾「悪魔の手毬唄」、第三弾「獄門島」より、松竹の「八つ墓村」の興行収入が圧勝する事件が起きています。

 

が、しかし、渥美清氏はやはり!フーテンの寅さんイメージがあまりに強いので、渥美清氏演じる金田一耕助の台詞回しに、寅さんを感じてしまったのは、私だけではなかったのではないでしょうか?

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結局、1978年の第四弾「女王蜂」、1979年の第五弾「病院坂の首縊りの家」も、「犬神家の一族」を上回る大ヒットには至らずも、それなりの興行収入は上げていたし、話題にもなっていました。

 

また、本家!東映もブームの乗って1979年に「悪魔が来りて笛を吹く」を発表。なんと!金田一耕助ブームを作った角川春樹氏が、プロデューサーとして東映に雇われて製作して映画。

 

で、金田一耕助役を投影は西田敏行氏に演じさせますが、こちらも良い映画でしたが、松竹の渥美清氏同様、太めの金田一耕助というのは、どうなの?って感じでしたが、こちらもそこそこヒットしています。

 

悪魔が来りて笛を吹く」と同じ1979年に、東映は再び「金田一耕助の冒険」を発表しますが、今度の金田一耕助古谷一行氏。

 

古谷一行氏演じる金田一耕助は既にテレビでお馴染みで、古谷一行氏は映画よりも松本清張作品のテレビドラマ化と共に、テレビの金田一耕助役で一時代を築いたと言えます。

 

1981年の「悪霊島」では鹿賀丈史氏に金田一耕助を演じさせており、この作品が当時の横溝正史作品、金田一耕助モノの最終作品だと記憶しておりますが、随分と短期間で沢山作られてますね〜。

 

と!ここまで書いていて今更ですが、横溝正史作品、金田一耕助シリーズは全部観てますが、実は私はあまり好きではないです(汗)。

 

だいたい、その事件に関連する一族の血筋、血脈が事件解決の糸口になってるので、役所で謄本調べてみたらみたいなオチが、なんとも名探偵の仕事と思えなくてね(笑)。

 

まぁ〜このへんは刑事コロンボ名探偵ポワロ好きなので、好みの問題という事で、横溝正史作品、金田一耕助ファンの方は、ご容赦くださいませ。